かばん (短歌誌)
「かばん」は、「歌人集団かばん」あるいは「かばんの会」の略称。
また「かばんの会」が月刊で発行している短歌同人誌のことを指す。
目次
1 概要
2 ゆかりのある歌人
3 関連年譜
4 脚注
5 外部リンク
概要
1984年4月「かばん」は、中山明、小森須美、井辻朱美、黒崎政男、渋谷祐子、林あまりの6名が中心となって創刊された。創刊メンバーと初期会員の多くは、歌人前田透の急逝により、同年1月に廃刊となった「詩歌」の会員によって構成された。[1]中山明が代表者(歌人集団「ペンギン村」村長)として創刊。
短歌結社にあるような選者欄、添削制度をもたず、主宰者もいない。また退会後も再入会可能であり、会員の自由意思に基づいて相互の批評などを行なっている。編集作業には電子メールが活用されている。[2]編集人が年度ごとに交代されることも大きな特徴のひとつ。
「かばん」という誌名は会員・鈴木照子の発案で、「何でも入る」かばんのイメージから命名されている。
永田紅は、かばんについて、「「現実世界との違和」という前提のもとにつながっている共同体なのかもしれない」と言及している。[3][4]
ゆかりのある歌人
「かばん」に在籍中、または在籍した会員の歌集を以下に記す。(50音順)
あまねそう 『2月31日の空』- 飯田有子 『林檎貫通式』
- イソカツミ 『カツミズリズム』
井辻朱美 『水晶散歩―井辻朱美歌集』等- 入谷いずみ 『海の人形』
- 植松大雄 『鳥のない鳥籠』
- 榎田純子 『リズムみそひと』
- 北川草子 『シチュー鍋の天使』
- 鯨井可菜子 『タンジブル』(新鋭短歌シリーズ第一期)
- 久保芳美 『金襴緞子』
佐藤弓生 『薄い街』等- 柴田瞳 『月は燃え出しそうなオレンジ』
- 白糸雅樹 『ゆらぎ』
- 杉崎恒夫 『パン屋のパンセ』等
- 鈴木照子 『えんさいくろぺでぃあ '86』
高柳蕗子 『潮汐性母斑通信』等- 田中ましろ『かたすみさがし』(新鋭短歌シリーズ第一期)
千葉聡 『飛び跳ねる教室』等- 辻井竜一 『ゆっくり、ゆっくり、歩いてきたはずだったのにね』
中沢直人 『極圏の光』- 中山明 『愛の挨拶』等
- 野間亜太子 『五十音図の男』等
林あまり 『LOVE & SWEETS』等- 原田洋子 『風』
- 伴風花 『ずっとあなたが好き』等
東直子 『十階』等- 法橋ひらく 2015年3月刊行予定(新鋭短歌シリーズ第二期)
穂村弘 『ラインマーカーズ』等- 本多忠義 『禁忌色』
- 本田瑞穂 『すばらしい日々』
- 柳谷あゆみ 『ダマスカスへ行く 前・後・途中』
山田航 『さよならバグ・チルドレン』
雪舟えま 『たんぽるぽる』
関連年譜
- 1984年 発足。
4月 - 創刊。
5月 - 会報を「かばん」と称する旨決まる。(かばん2号)
- 1990年
8月 - 団体名が「かばんの会」となる。(かばん77号)
- 2013年
5月 - かばん30周年記念イベント開催[5]
脚注
^ かばん創刊号
^ 『短歌という爆弾』p.69
^ 『短歌の友人』p.197
^ 『かばん』1999年11月号
^ 「朝日新聞」2013年5月21日夕刊(文芸・批評欄)「若い感覚 軽やかに発信 -- 短歌同人誌「かばん」創刊30年」
外部リンク
- 歌人集団 かばんの会
- 歌人集団かばん北海道
- かばん関西歌会
- かばん30周年公式アカウント