ビーズ
ビーズ(英語複数形 beads)は、装飾や手芸などに用いる穴の開いた小さな玉。数珠玉(じゅずだま)、南京玉(なんきんだま)ともいう。特にガラス製のものはとんぼ玉と呼ばれる。
目次
1 形状と用途
1.1 主な用途
2 語源・歴史
3 種類
3.1 生産地による分類
3.2 形状による分類
3.3 材料による分類
4 出典・脚注
5 関連項目
形状と用途
穴の開いた玉で、直径は10mm以下が多い。
形状は球形や円筒形の物が多いほか、花形や星形など様々ある。素材はガラスやプラスチックに加えて、古来の石(天然石や宝石)、貝殻、真珠、珊瑚、動物の角・骨など多岐にわたる。
装飾・手芸用品、子供向け玩具として売られている。穴に紐・糸を通して立体的なアクセサリーを作ったり、衣服やバッグなどに縛り付けたり縫い付けたりする。色が異なる多数のビーズを使い分けて、絵画のような模様を描き出す刺繍もある[1]。
主な用途
衣服(ブラウス、ドレスなど)- 鞄
- 靴
装身具(ネックレス、イヤリング、指輪など)
玩具(万華鏡など)
語源・歴史
ヨーロッパのキリスト教圏でロザリオに使用される数珠玉について、アングロサクソン語のbiddan(祈る)、bede(祈る人)から変化して呼ばれるようになったのが語源という説がある[2]。
装身などに用いる穴の空いた玉自体はそれ以前から、世界各地にあった。古代インダス文明では、紅玉髄製ビーズの製造が盛んに行われ、樽型ビーズをはじめとしてメソポタミアにも輸出された。高い加工技術を要するマイクロビーズも作られていた[3]。
奴隷貿易の際に貿易品としてアフリカ大陸に渡ったビーズはトレードビーズと呼ばれる。
1900年代初頭までに作られたビーズは、アンティークビーズ、ビンテージビーズと呼ばれる。ガラスの加工技術が現在と異なり、独特の風合いのあるビーズが生産された。また、プラスチック(ルーサイト)の加工技術が確立された時期にも当たるため、現在の感覚ではキッチュに見えるデザインのプラスチックビーズが大量に生産された。
日本では大正時代末に婦人雑誌などで紹介されて流行した[4]。1926年に出版された『ビーズ手芸全書』が日本初の本格的な参考書である。
21世紀に入ってからの流行の推移としては、スワロフスキー全盛期を経て、現在はビンテージビーズなどのヨーロッパのビーズや天然石ビーズが、現代の工業生産されたものと違いひと粒ずつが個性を持っているとして人気を集めている。
種類
生産地による分類
- 日本
チェコビーズ(チェコ)
ヴェネツィアンビーズ(ヴェネツィア)
ボヘミアンビーズ(ボヘミア)- インド
- フランス
- ドイツ
- 中国
キファビーズ(アフリカ)
形状による分類
- シードビーズ
- そろばん玉
- ナツメ型
- ファイアポリッシュ
- 球形
- 花形、立体花
- スクエア
材料による分類
- ガラスビーズ
- プラスチックビーズ
- 陶器
- 粘土
- 動物の角、骨
- 貝殻
- 天然石ビーズ
- 真珠
- 天珠
- アルミニウム
出典・脚注
^ 仙田秀一「ビーズ刺繍 驕らぬ一針◇父から学んだ手縫いの技 こつこつと伝統工芸の域に◇」『日本経済新聞』朝刊2018年1月19日(文化面)
^ ビーズの歴史株式会社MIYUKI(2018年1月26日閲覧)
^ 遠藤仁「工芸品から見たインダス文明期の流通」『インダス』京都大学学術出版会(2013年)、第6章。
^ 安藤復蔵『ビーズ手芸全書』婦人文化研究会(1926年)、p.2。
関連項目
- ビーズ手芸
- スパンコール
- スワロフスキー
- ビーズ・ビー
- ビーズフレンド
- 勾玉