船員
船員(せんいん)とは、船舶に乗り組んで海上で働く人々の総称。
日本の船員
この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
日本の船員法では、「船員」とは、日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう(船員法1条1項)。「海員」とは船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者であり(船員法2条1項)、「予備船員」とは日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていないものをいう(船員法2条2項)。
船員法で「職員」とは航海士、機関長、機関士、通信長、通信士及び国土交通省令で定めるその他の海員をいい(船員法3条1項)、「部員」とは職員以外の海員をいう(船員法3条2項)。
- 船員
- 船長
- 海員 - 船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者(船員法2条1項)
- 職員 - 航海士、機関長、機関士、通信長、通信士及び国土交通省令で定めるその他の海員(船員法3条1項、事務長・事務員・船医など)
- 部員 - 職員以外の海員(船員法3条2項)。例としては甲板長、操機長、司厨長などである。
- 予備船員 - 日本船舶等に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていない者(船員法2条2項)。
船舶職員及び小型船舶操縦者法では、「船舶職員」とは、船舶において、船長の職務を行う者(小型船舶操縦者を除く。)並びに航海士、機関長、機関士、通信長及び通信士の職務を行う者をいう(船舶職員及び小型船舶操縦者法2条2項)。
階級として、海技士の免許(海技免許)を持った船舶職員と海技免許を持たない部員の大きく2つに分けられ、日本では船員手帳に履歴として雇い入れ職名が記載される。その職務は次のようなものがある。
- 船舶職員
- 船長
航海士 - 甲板長を兼務することがある一等航海士は、航海士の中から選任する。
機関士 - 機関長は機関士の中から選任する。
通信士 - 通信長は通信士の中から選任する。
- 部員
- 甲板部員 - 海技免状を有しない甲板・航海関係の職務に就く船員。
- 機関部員 - 海技免状を有しない機関関係の職務に就く船員。
- 司厨部員 - 特定の船舶における司厨長は船舶料理士の資格所持者の中から選任する。
- 事務部員 - 船内の庶務に従事する船員(前述のとおり船舶職員の待遇を受ける)。
- 医務部員 - 船内の医務・衛生管理に従事する船員(前述のとおり船舶職員の待遇を受ける)。
なお、国際航海(外国航路)の船舶に乗り組む船員を外航船員、国内航路の船舶に乗り組む船員を内航船員、漁船に乗り組む船員を漁船員という。
船員の労働時間、休日、年次有給休暇等は、海上労働の特殊性から、労働基準法の規定の大部分が適用されず(労働基準法第116条)、別途船員法で定められている。また、医療保険制度についても、一般労働者の健康保険ではなく、船員の特殊事情を加味した船員保険(かつては一般の労災保険、雇用保険、厚生年金も統合されていた)に加入することとなる。
船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族に標準報酬の月額の36箇月分に相当する額の遺族手当を支払わなければならない。
船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
日本の船員については、船員法も参照。
関連項目
- 乗組員
- 船員法
- 海技従事者
- 船舶職員及び小型船舶操縦者法
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