ベース (弦楽器)








この項でのベース(英語: bass、ドイツ語: Bass バスとも)は、低音パートを演奏する弦楽器の総称である。


楽器そのものを指す場合とパートを指す場合がある。




目次






  • 1 パートとしてのベース


  • 2 弦楽器としてのベース


    • 2.1 アコースティックかつアップライトであるもの


    • 2.2 アコースティックであり、アップライトでないもの


    • 2.3 エレクトリックかつアップライトであるもの


    • 2.4 エレクトリックであり、アップライトでないもの




  • 3 「ベース」「バス」という呼称


  • 4 関連項目





パートとしてのベース


本来のバスあるいはベースの音域は弦楽器ではチェロやギターの低音域に相当する。それより更に1オクターブ低い音域が"double bass"(ダブルベース)あるいは"Kontrabass"(コントラバス)と呼ばれる音域である。しかし、この最低音域を担当する弦楽器はしばしば"double"や"Kontra-"が省略されて単に"bass"(ベース、バス)と呼ばれる。
一方、バスあるいはベースという用語は、声部として一番下の旋律を演奏している楽器群を指すこともある。極端な例では弦楽合奏においてチェロが高音域で主旋律を担当しヴィオラやヴァイオリンがその下で支え、かつコントラバスが演奏していないような場合、ヴィオラやヴァイオリンのことを指すこともある。



弦楽器としてのベース


一般的に、ベースはチェロやギターの1オクターヴから2オクターヴほど音域の低い楽器とされている(構造や演奏法は各項目を参照)。


弦の数は4 - 5本が主流であるがもっと少ないものも多いものもあり、ギターやマンドリンのように副弦を持つベースもある。チューニングもさまざまである(下の関連項目を参照)。


概して、ネックはチェロやギターよりも長く弦はそれらよりも太い。ただし弦楽器の音域を決定する要因は弦の長さや太さだけではないため、必ずしもチェロやギターの低音弦より長く太い弦が張られている必要はなく演奏や運搬などの都合を考えて楽器全体を小さく設計してあるものも存在する。


単にベースと呼んだ場合はコントラバスかエレクトリックベースのどちらかを指すことが多いが、構造は「電気的に増幅することを前提として設計されているか否か(エレクトリックかアコースティックか)」「ネックを垂直に近く構えることを前提として設計されているか否か(アップライトかホリゾンタルか)」の組み合わせで大まかに4つに分けられる。


なお、この項では実在する弦楽器をコントローラーとして使ったシンセベースなどは取り上げない。



アコースティックかつアップライトであるもの


現在広く親しまれている音楽ではそのほとんどがコントラバスであり、単に「アコースティックベース」「アップライトベース」と呼んだ場合もコントラバスを指すことが多い。なお、コントラバスには他にもさまざまな呼び方がある(呼び方については「コントラバス」を参照)。


他にもヴィオローネ、マンドローネ、バスガンバなどが当てはまりうる。



アコースティックであり、アップライトでないもの


アコースティック・ベース・ギター等と呼ばれるものが代表的。構造はアコースティック・ギターとほぼ同じで、エレクトリックベースとほぼ同じ長さや形状のネックを持つ。演奏法はエレクトリックベースとほぼ同じ。



エレクトリックかつアップライトであるもの


一般にはそのほとんどがいわゆるエレクトリック・アップライト・ベースで、これは、エレクトリックベースギターから派生した楽器である。ポップス系の音楽を演奏することを前提としており、弓弾き(アルコ)には対応していないが、ネックや指板、ブリッジの形状はコントラバスに似せてあり、フレットレスで、奏法的にもコントラバスに近い技術を要求される。音を電気的に増幅するため、音量に関しては必ずしも共鳴箱を持つ必要がなく、音質の調整に必要な最小限の大きさにとどめてあるか、まったく備えていない。


数は少ないが、コントラバスから派生したモデルもある。ヤマハが販売しているサイレントベース(サイレントベースの呼称はヤマハの登録商標)が代表例で、エレクトリックベースギターから派生したモデルが弦長860mm前後であるのに対し、コントラバスと同様の1040mm前後の弦長を持ち、弓弾きが可能な大きく湾曲したブリッジを持つのが特徴。



エレクトリックであり、アップライトでないもの


そのほとんどがエレクトリックベースギター。略し方・愛称はさまざまでエレクトリックベース、ベースギター、エレキベース、エレベ、電気ベースなどとも呼ばれる。


アメリカのフェンダー社から発売されたプレシジョンベースがその草分け。指板にフレットをつけた("フレッテッド")ことにより正確な音階が出せるという意味で、プレシジョン(正確な)という名前が付けられた。フレットのないものもあり、単に「フレットレスベース」と呼ぶと「エレクトリックベースギターでフレットのないもの」を指すことが多い。


なおエレクトリックであるもののうち、楽器本体内部に共鳴箱を持たせてその振動をも増幅するものは区別して「エレアコ」「セミアコ」等と呼ぶことが多く単にエレクトリックベースギターと言った場合は楽器本体内部に共鳴箱がないソリッドボディのものを指すことが多い(エレクトリックアコースティックギターを参照)。


奏者に対しては呼び方を楽器で厳密に区別することはあまりなく、単にベーシストと呼ばれることが多い(これが原因で混乱が起こることもある。後述する)。ロックバンド等で使用されるのはほとんどがエレクトリックベースであるがジャズ等ではコントラバスが使われることも多く、また両方を使い分ける奏者も少なくない。ただしヴィオローネやマンドローネやバスガンバなどは使われるジャンルが限られており、通りが良いため楽器名で呼ばれることが多くその状況で「ベース」と呼ぶ場合は上記「パートとしてのベース」と捉えるのが妥当であろう。



「ベース」「バス」という呼称


意味が複数ありそれぞれに当てはまりうる楽器の種類も多いため、混乱が起こることがままある。


例を挙げると古典派音楽などの楽曲においてはチェロとコントラバスが同一の「パートとしてのベース」を演奏している場合も多いため、単に「ベース(の音量)が大きい」と言った場合に大きいのはパート全体なのかコントラバスだけなのかわかりにくい。


また楽器や奏者に関しても現状では(特に日本では)エレクトリックでないベースの大部分がコントラバスであり、アップライトでないベースの大部分が「エレアコでないエレクトリック」である上「アップライト」という分類に対しての「ホリゾンタル(水平な)ベース」のような呼称は一般的でないため、アコースティックベースギターやエレクトリック・アップライト・ベースを主に演奏する奏者が無用な誤解を受けることも多い。ちなみに「ベースギター」とは呼んでも、「バスギター」とは呼ばない。



関連項目



  • コントラバス

  • エレクトリックベース

  • アコースティック・ベース

  • エレクトリック・アップライト・ベース

  • シンセベース

  • 5弦ベース

  • 6弦ベース

  • 8弦ベース

  • スティック


  • ウォッシュタブ・ベース[:en]

  • ベーシスト


  • 明和電機 - 芸術ユニット。弦に荷ゴムを用いたゴムベースなるコンパクトフレットレスベースや見た目を重視し、ボディーをエレキベース風にしたゴムベースⅡ、。更にエレキベース用の弦に両面テープをあてがい、それを電磁石で剥がすことによって低音を出すオクトパスなるベース音源を製作して自分たちの楽曲で使っている。


  • エクストラロングスケール

    • ロングスケール

    • ミディアムスケール

    • ショートスケール







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