グロドノ県 (ロシア帝国)







グロドノ県の地図(1910年代)




帝政ロシア内でのグロドノ県の位置(ポーランド併合後)




県章


グロドノ県(ロシア語: Гродненская губерния)は帝政ロシアの県(グベールニヤ)である。また北西地域中の1県でもある。


行政中心地はグロドノ(現フロドナ)に置かれた。旧グロドノ県の領域は、現代では大部分がベラルーシに属し、わずかにポーランド、またごく一部がリトアニアとウクライナに含まれている(ドルスキニンカイ等)。




目次






  • 1 歴史


  • 2 下位区分・人口


  • 3 行政の長


  • 4 出身者


  • 5 出典





歴史


グロドノ県は1795年の第3次ポーランド分割によって帝政ロシアに編入された地域に成立した。それ以前のリトアニア大公国においては、後にグロドノ県となる地域は、北西部は1501年にはトラカイ県(ru)、北東部はNaugardukas県(ru)の管轄となっており、南部はPalenkė県(ru)等を経て、ルブリン合同後の1596年よりBrześć県(ru)の管轄であった。また、第3次ポーランド分割によって帝政ロシア領が拡大した直後は、グロドノ県にあたる地域には初めスロニム県(ru)(当初ナメストニチェストヴォ。後にグベールニヤ。いずれも県と訳される。)が設置され、次いでリトヴァ(リトアニア)県となっていた[1]。1801年、リトアニア県がヴィテプスク県とグロドノ県に分離する形で、グロドノ県が成立した[1]


グロドノ県は8郡から成るスロニム県を継承する形で登場し、設置以降40年間は県域の変更はなされなかった[1]。1843年に、廃止されたベロストク州(ru)からベロストク郡(ru)、ベリスク郡(ru)、ソコルカ郡(ru)が移管され、リダ郡(ru)がヴィテプスク県へ、ノヴォグルドク郡(ru)がミンスク県へと編出した。以降、20世紀初頭まで、グロドノ県は9郡を管轄した。また県内には25の市(город / ゴロド)を有した[2]


1920年、グロドノ県は復興したポーランド(ポーランド第二共和国)領に組み込まれ、消滅した。



下位区分・人口


廃止直前のグロドノ県には以下の9郡(ウエズド)が属していた。




















































































グロドノ県の下位区分

行政中心地
面積(露里²)
郷全域人口(人)
行政中心地人口(人)
県全体
フロドナ 33900.8 160,3409
25,4591
ブレスト郡(ru)
ブレスト 4299.7 19,3851 (1889) 4,1615
ヴォルコヴィスク郡(ru)
ヴァウカヴィスク 3358.0 12,5817 (1889) 7071
グロドノ郡(ru)
フロドナ 3770.0 13,7779 (1891) 4,9952
コブリン郡(ru)
コブルィン 4645.3 15,9209 (1894) 8998
プルジャヌィ郡(ru)
プルジャヌィ 3659.4 13,9879 (1897) 7634
スロニム郡(ru)
スロニム 6359.2 23,3506 (1897) 1,5893
ベロストク郡(ru)
ビャウィストク 2551.8 18,7531 (1889) 5,6629
ベリスク郡(ru)
Bielsk Podlaski(ru)
3130.3 17,5855 (1889) 7012
ソコルカ郡(ru)
Sokółka(ru)
2290.0 11,3746 (1897) 7595
[註]
・行政中心地の背景色は、その自治体が現在所属する国を示す(黄:ベラルーシ、桃:ポーランド)
・郡名はロシア語に基づく。また、黄:ベラルーシ語、桃:ポーランド語に基づく。
・面積は平方ベルスタ(露里)。1ベルスタ = 約1067メートル[3]
・県全体の面積・人口は1897年[4]、各市の人口は( )内の年の統計による。
・斜体は行政中心地の市を含む、県内の25市の総計(都市人口総計)。



















































































































民族比率(1897年[5])


ベラルーシ人

ウクライナ人

ユダヤ人

ポーランド人

ロシア人

リトアニア人

ドイツ人
県全体
44.0 %
22.6 %
17.4 %
10.1 %
4.6 %


ブレスト郡
1.8 %
64.4 %
20.8 %
3.9 %
8.1 %


ヴォルコヴィスク郡
82.4 %

12.4 %
2.1 %
2.3 %


グロドノ郡
65.7 %

19.9 %
5.7 %
6.2 %
1.4 %

コブリン郡

79.6 %
13.7 %
2.2 %
3.1 %


プルジャヌィ郡
75.5 %
6.7 %
12.8 %
1.4 %
3.0 %


スロニム郡
80.7 %

15.2 %
1.6 %
2.1 %


ベロストク郡
26.1 %

28.3 %
34.0 %
6.7 %

3.6 %
ベリスク郡
4.9 %
39.1 %
14.9 %
34.9 %
5.9 %


ソコルカ郡
83.8 %

12.2 %
1.2 %
1.8 %




行政の長




出身者




出典



  1. ^ abcГродненская губерния // Энциклопедический словарь Брокгауза и Ефрона


  2. ^ Гродненская губерния // Еврейская энциклопедия Брокгауза и Ефрона


  3. ^ 井桁貞義編 『コンサイス露和辞典』 三省堂、2009年、P87


  4. ^ Демоскоп Weekly. Первая всеобщая перепись населения Российской Империи 1897 г. Наличное население в губерниях, уездах, городах Российской Империи (без Финляндии)


  5. ^ Демоскоп Weekly. Приложение. Справочник статистических показателей




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