ラハール
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2018年1月) |
この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2018年1月) |
ラハール(ジャワ語: Wlahar、インドネシア語: lahar、ヒンディー語: लहर)とは、火山砕屑物が水により流動性を持ち重力に引かれ流動する(火砕物重力流)現象で、水と共に山の斜面を流れ下る現象である。火山泥流(かざんでいりゅう、英: volcanic mud flow)と同義語として扱われているが、言葉の定義は年代や研究分野により変化をしており定まっていない[1]。1919年、インドネシアのケルート山の噴火で初めて科学的に調査され、現地語から命名された。元来のヒンディー語での意味は波である[2]。
目次
1 解説
2 歴史に残る事例
3 文学
4 脚注
5 出典
6 関連項目
7 外部リンク
解説
火山噴火により直接的に引き起こされる様式と、雨などにより2次的に誘発される2種類の発生様式がある。
直接的に引き起こされる場合は、火山の山頂部が積雪や氷河らに覆われていた時に噴火が起こり、その高熱によって雪や氷が融解した際や、火口湖が水で満たされている時などに発生する。大量の水分を含んでいる為に流下スピードは極めて速く、時速100kmを超えることもある。
雨などにより2次的に引き起こされる場合、火山灰が山体周辺に降り積もった後に豪雨などにより流下する場合(1953年の阿蘇山、1984年の御嶽山、2013年の伊豆大島[3]ほか事例多数)もラハールと呼ぶ(日本では土石流と呼んでいる)。
歴史に残る事例
- インドネシアのケルート山
- 1586年 - 死者1万人。
- 1872年 - 死者200人。
1919年5月20日 - 火口湖の水がラハールとなり、麓の村を直撃。死者5,100名。
1966年 - 死者282人。
1640年(寛永17年) - 北海道駒ヶ岳[4]。死者約700名。
1783年(天明3年) - 浅間山。
1888年(明治21年) - 磐梯山。噴出物(噴煙柱)に水分が多量に含まれていたため発生[5]。
1926年(大正15年)5月24日 - 北海道の十勝岳。噴火で山頂付近の雪が融解し、泥流が発生した。死者144人[6][7]。
1953年12月24日 - ニュージーランドのルアペフ山。火口湖の水がラハールとなり鉄道橋を損傷、列車を巻き込んで崩落した。死者151人[8]。
1985年11月13日 - コロンビアのネバドデルルイス火山。火砕流で山頂付近の氷河が融解した事で大規模な泥流が発生し、麓のアルメロ市を壊滅させた。死者21,500人。
1991年 - フィリピンのピナトゥボ山。20世紀最大の大噴火。大量に降り積もった火山灰が雨季になる度に豪雨で流下した。- 2006年11月 フィリピンのマヨン山で台風に伴い発生。死者620名、行方不明710名、倒壊家屋約9000戸の被害[9]。
- 2010年 - インドネシアのムラピ山。
文学
- 『泥流地帯』三浦綾子 - 1977年、大正十勝岳噴火
- 『死都日本』石黒耀 - 架空の近未来加久藤カルデラの破局噴火
脚注
^ 西本晴男「火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察」、『砂防学会誌』第63巻第2号、2010年、 26-37頁、 doi:10.11475/sabo.63.2_26。
^ インドのヒンディー語では「लहर」ラハールと表記され、波という意味を持ち、海や川の波、波や水の波動、精神の波動まで含んだ大きな意味で使われる。英語のwaveとほぼ同じ意味を持つ。ヒンディー語は古くからインドなどで話される言葉であり、それが南アジア全体に広がっていき、インドネシアなどの言葉の基ともなった言葉であり、インドネシア語でも影響を受け、ヒンディー語のラハール(लहर)はインドネシア語では流動という意味になったと思われる。
^ 山元孝広、川辺禎久「伊豆大島2013年ラハールの堆積学的特徴:ラハール堆積物の粒度組成による分類」、『地質学雑誌』第120巻第7号、日本地質学会、2014年、 233-245頁、 doi:10.5575/geosoc.2014.0022。
^ 吉本充宏:北海道駒ヶ岳火山 1640年山体崩壊に伴う火砕物重力流堆積物 日本火山学会講演予稿集 2001.2巻 (2001) p.146-
^ 紺谷和生、谷口宏充「磐梯山1888年噴火によるサージ堆積物と被災記録」、『東北アジア研究』第8号、東北大学東北アジア研究センター、2004年、 71-90頁、 .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
ISSN 1343-9332、
hdl:10097/41091。
^ 1926年十勝岳泥流災 (PDF) 内閣府 「災害教訓の継承に関する専門調査会」
^ 宮本邦明、鈴木宏、山下伸太郎、水山高久、「十勝岳大正15年(1926年) 泥流の再現計算」 水理講演会論文集 1989年 33巻 p.361-366, doi:10.2208/prohe1975.33.361
^ 火山泥流の発生・流下過程における土砂水理特性変化の実態解明 -2007年3月18日にニュージーランド・ルアペフ火山の火口湖決壊によって発生した火山泥流の事例- (PDF) 北海道河川財団
^ フィリピン・マヨン火山火山泥流災害調査 (PDF) 砂防・地すべり技術センター
出典
火砕流・火山泥流・山体崩壊 - 防災科学技術研究所ライブラリー 防災基礎講座
噴火による融雪型火山泥流の発生機構に関する基礎的検討 (PDF) - 京都大学防災研究所年報(2011) 第54号B 平成23年6月
関連項目
- 鉄砲水
- 氷河湖決壊洪水
- 天然ダム
- 泥火山
- 雪泥流
外部リンク
Lahars and Their Effects - USGS(英語)
Lahars - UCSB Volcano Information Center(VIC)(英語)
- 西本晴男、火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察 砂防学会誌 2010年 63巻 2号 p.26-37, doi:10.11475/sabo.63.2_26
|
|