スタテンアイランド
Staten Island Staten Island, New York City | |||
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— ニューヨーク市の行政区 — | |||
Richmond County | |||
ブルックリンからスタテンアイランドの方に見たヴェラザノ=ナローズ橋 | |||
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ニューヨーク市内におけるスタテンアイランドの位置 | |||
Staten Island ニューヨーク州における位置 | |||
座標: 北緯40度34分34.61秒 西経74度8分41.42秒 / 北緯40.5762806度 西経74.1448389度 / 40.5762806; -74.1448389 | |||
国 | アメリカ | ||
州 | ニューヨーク州 | ||
郡 | リッチモンド | ||
市 | ニューヨーク市 | ||
定住 | 1661年 | ||
行政 | |||
- 種別 | 行政区 (ニューヨーク市) | ||
- 区長 | en:James Oddo(共和党) — (スタテンアイランド区) | ||
- 地区検事 | en:Daniel L. Master, Jr.(臨時) — (リッチモンド郡) | ||
面積 | |||
- 計 | 102mi2 (264.2km2) | ||
- 陸地 | 58mi2 (150.2km2) | ||
- 水面 | 44mi2 (114km2) 43% | ||
人口 (2014) | |||
- 計 | 473,279[1]人 | ||
等時帯 | 東部標準時 (UTC-5) | ||
- 夏時間 | 東部夏時間 (UTC-4) | ||
ZIPコード | 10301–10314 | ||
市外局番 | 347, 718, 917, 929 | ||
ウェブサイト | www.statenislandusa.com |
スタテンアイランド[2](Staten Island, 英語発音: [ˈstætn ˈailənd])またはスタテン島(スタテンとう)は、ニューヨーク湾内にあり、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に属する島、あるいは、周辺の小さな無人島を含むニューヨーク市の行政区(スタテンアイランド区[2]またはスタテン島区[3]、Borough of Staten Island)のことである。ニューヨーク州のリッチモンド郡 (Richmond County) の郡域もスタテンアイランド区と同じ。
目次
1 概要
2 歴史
3 地理
4 人口統計
5 交通
6 関連項目
7 脚注
8 外部リンク
概要
スタテンアイランドはアッパー・ニューヨーク湾の入口に位置する。北はキル・ヴァン・カル、西はアーサー・キルを隔ててニュージャージー州と、東はザ・ナローズ(ヴェラザノ=ナローズ・ブリッジ)を隔ててブルックリンと隣接している。
スタテンアイランド区はニューヨーク市の行政区の一つだが、他の4つの行政区と同様にそれ自体で郡をなしており、これをリッチモンド郡という。1975年までは行政区の名称も「リッチモンド区」であった。
島の東岸沿いにはメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ傘下のスタテンアイランド鉄道がある。島外と連絡する鉄道はなく、マンハッタンとはスタテンアイランド・フェリー(無料)で結ばれている。ブルックリンとはヴェラザノ=ナローズ橋で結ばれ、ニュージャージー州との間には北からベイヨン橋、ゴーサルズ橋、アウターブリッジ・クロッシングの3橋がある。
わずかながらもニューヨーク開拓当時の面影を残す地域であり、住宅地ののどかな風景が広がる。島の北端には、ニューヨーク・ヤンキース傘下のマイナーリーグ、スタテンアイランド・ヤンキースの本拠地があり、最近は日本人観光客も多く訪れるようになった。また内陸部にはニューヨーク市立大学スタテンアイランド校や、スタテンアイランド病院、リッチモンド・タウン歴史地区、爬虫類で知られるスタテンアイランド動物園などがあり、同区の文化の中心となっている。
中西部のフレッシュ・キルズ (en) には、ニューヨーク市のごみ処理場があった。アメリカ同時多発テロ事件で崩壊したワールドトレードセンターの残骸の分別もここで行われた。フレッシュ・キルズ埋立地 (en) はかつて世界最大の埋立地であり、体積にして万里の長城を超える世界最大の人工建造物であった[4][5]。現在、マンハッタンにあるセントラルパークの3倍近い面積のフレッシュキルズ・パーク (en) が建設中である。
2018年8月の開業を目標に、世界最大の観覧車となる予定であるニューヨーク・ホイール (en) がスタテンアイランド・フェリーのセント・ジョージ・ターミナルの近くに建設する計画があったが、2018年10月23日に建設中止が発表された。[6]。
歴史
北アメリカの他の大部分の土地と同じように、この島への人類の居住は氷床の後退とともにすぐさま始まった。約14,000年前のクローヴィス文化の遺物がこの島で発見されている。
大型哺乳類が島内から絶滅したことにより、一度はこの島から人類がいなくなったと考えられている。アメリカン・インディアンが定住して農耕を始めたのは約5,000年前に遡ると見られているが[7]、より古い年代の人類が居住した遺物はこの島の複数の箇所で発見されている[8]。
ヨーロッパ人がこの地に到来したとき、この島の住民はウナミ区域レナペ族であるラリタン集団であった。スタテンアイランドはアルゴンキン語族であるレナペの言葉で"悪い木の遠い地"を意味するAquehonga Manacknongまたは"悪い木"を意味するEghquhousと呼ばれていた[9]。この地域はen:Lenapehokingとして知られるレナペの本土の一部であった。
最初にこの地に到達したヨーロッパ人は、フランス王フランソワ1世に雇われたイタリア人探検家のジョバンニ・ダ・ヴェラッツァーノである。彼は1520年にフランスのen:La Dauphine号でザ・ナローズ (en) に到達し、一晩停泊した。
1609年、オランダ王国から派遣されたイギリス人探検家のヘンリー・ハドソンはHalf Moon号でアッパー・ニューヨーク湾に到達した。オランダ人はこの島を、オランダの議会Staten-Generaalの栄誉を称えStaaten Eylandt(英:"States Island")と命名した(背景に関してはen:Generality Landsも参照のこと)。
このエリアでの最初のオランダ人の定住はニューネーデルラント植民地として1624年にガバナーズ島で始まった。それ以前にも、ガバナーズ島では貿易のためのキャンプが10年以上行われていた。1626年、この彼らの植民地はマンハッタン島へと移った。マンハッタン島はニューネーデルラントの首都ニューアムステルダムとなった。
オランダ人によるStaaten Eylandt(スタテンアイランド)への定住は何十年も始まらなかった。1639年から1655年、en:Cornelis MelynとDavid de Vriesはこの島への定住を三度試みたが、原住民との対立のために定住地は破壊され全て失敗に終わった[10]。1661年、最初のオランダ人による定住はOulde Dorp(オランダ語で古い村, "Old Village")で始まった[11]。これはザ・ナローズ (en) のすぐ南、サウス・ビーチ (en) のすぐ近くであった。Oude Dorpの名残は、Old Townという地区名として残っている[12]。 New Dorp地区はOude Dorpの拡張された地区である。
第二次英蘭戦争 (en) の終了時の1667年、オランダはブレダの和約によってニューネーデルラントをイングランドへ譲渡した。こうして、ニューヨーク植民地の一部として、Staaten Eylandtは英語化され"Staten Island"となった。
1683年に、ニューヨーク植民地は10の郡に分割され、スタテンアイランドと近隣の幾つかの小島はリッチモンド郡となった。この名前は、当時のイングランド王であったチャールズ2世の息子、初代リッチモンド公チャールズ・レノックスの爵位名から取られている。
アメリカ独立戦争において、スタテンアイランドはいくつかの役割を担うことになる。1776年、ニューヨーク・ニュージャージー方面作戦の端緒としてイギリス軍はスタテン島に兵力を集めた。また同年、スタテン島和平協議がこの島で開催された。1777年には、スタテン島の戦いの舞台にもなった。
1898年、スタテンアイランドはニューヨーク市の一部として併合された。当初の行政区名は郡名と合わせてリッチモンド区であったが、1975年にスタテンアイランド区と改称された。
1993年、住民投票でスタテンアイランドのニューヨーク市からの分離が可決されたが、結局現在まで分離はなされていない(シティ・オブ・グレーター・ニューヨーク#スタテンアイランド分離参照)。
地理
スタテンアイランドはニューヨーク市の南西部に位置する。アメリカ合衆国統計局によると、スタテンアイランド区(リッチモンド郡)は総面積265.5 km2 (102.5 mi2) である。このうち151.5 km2 (58.5 mi2) が陸地で114.0 km2 (44.0 mi2) が水域である。総面積の42.95%が水域となる。
人口統計
2000年の国勢調査によると、スタテンアイランド区(リッチモンド郡)には人口443,728人、156,341世帯、114,128家族が暮らしている。人口密度は2,929.6/km2 (7,587.9/mi2) である。163,993軒の住宅があり、面積あたりの平均戸数は1,082.7/km2 (2,804.3/mi2) である。人種的な構成は白人77.60%、アフリカ系9.67%、ネイティブ・アメリカン0.25%、アジア系5.65%、オセアニア系[13]0.04%、その他の人種4.14%、および混血2.65%である。人口の12.07%がヒスパニックまたはラテン系である。
2000年、スタテンアイランドでのおもなヨーロッパ系の比率は以下のとおりである。
イタリア系: 44.55% (アメリカ合衆国の郡では最大の比率)
アイルランド系: 14.54%
ドイツ系: 7.61%
イギリス系: 3.37%
統計局の予測によると、人口は2003年に459,737人に増加する見込みである。
交通
マンハッタンのホワイトホール・ターミナルとスタテンアイランドのセント・ジョージ・ターミナルの間に、無料のスタテン島フェリーが運行されている。- 島内にはスタテンアイランド鉄道が走っている。
メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)は、島内にも多くのバス路線を持っていて、そのうちのいくつかは路面電車の路線を引き継いで運行している。
関連項目
ニューヨーク市の行政区要覧 | ||||
領域 | 人口 | 面積 | ||
行政区 | 郡 | (2010年4月1日 国勢調査) | mi² | km² |
1. マンハッタン | ニューヨーク | 1,626,159 | 23 | 59 |
2. ブルックリン | キングズ | 2,592,149 | 71 | 183 |
3. クイーンズ | クイーンズ | 2,296,175 | 109 | 283 |
4. ブロンクス | ブロンクス | 1,418,733 | 42 | 109 |
5. スタテンアイランド | リッチモンド | 472,621 | 58 | 151 |
ニューヨーク市 | 8,405,830 | 303 | 786 | |
ニューヨーク州 | 19,651,127 | 47,214 | 122,284 | |
出典: アメリカ合衆国国勢調査局[14][15] |
- en:National Register of Historic Places listings in Richmond County, New York
- en:Staten Island Legal Services
- en:Staten Island Economic Development Corporation
脚注
^ “State & County QuickFacts - Richmond County (Staten Island Borough), New York”. United States Census Bureau. 2015年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月25日閲覧。
- ^ abそれぞれ「スタテン・アイランド」、「スタテン・アイランド区」と表記することもある。
^ 用例: “ニューヨーク市の犯罪情勢 [2012会計年度犯罪統計]”. 在ニューヨーク日本国総領事館 (2012年10月1日). 2015年4月23日閲覧。
^ “Fresh Kills Park Project Introduction”. New York City Department of City Planning (2007年). 2007年8月13日閲覧。
^
John, Lloyd; Mitchinson, John (2006-10-05). QI: The Book of General Ignorance. Faber and Faber. pp. 114-115. ISBN 0-571-23368-6.
^ “スタテン島の大観覧車、建設を中止 NY市の協力得られず、投資家が発表”. 2019年3月15日閲覧。
^ Jackson, 1995
^ Ritchie, 1963
^ History of Richmond County (Staten Island), New York. http://books.google.com/books?id=IswpAQAAMAAJ&pg=PA1&lpg=PA1&dq=Aquehonga+Manacknong&source=bl&ots=6mqPoapbF0&sig=yi5eItry_qKAlCoK8Fy89nb9iq0&hl=en&sa=X&ei=f19SU7L-FLTEsAT9_YCoBw&ved=0CE8Q6AEwBQ#v=onepage&q=Aquehonga%20Manacknong&f=false.
^ Russell Shorto, The Island at the Center of the World: The Epic Story of Dutch Manhattan and the Forgotten Colony that Shaped America. First Edition. New York City: Vintage Books (a Division of Random House, 2004), ISBN 1-4000-7867-9
^ Ellis, Edward Robb (1966). The Epic of New York City. Old Town Books. p. 55.
^ Scheltema, Gajus and Westerhuijs, Heleen (eds.), Exploring Historic Dutch New York. Museum of the City of New York/Dover Publications, New York (2011) ISBN 978-0-486-48637-6
^ ポリネシア系、ミクロネシア系、メラネシア系の総称。
^ Per the County and City Data Book:2007 (U.S. Census Bureau), Table B-1, Area and Population, retrieved on July 12, 2008, New York County (Manhattan) was the nation's densest-populated county, followed by Kings County (Brooklyn), Bronx County, Queens County and San Francisco, California.
^ American Fact Finder (U.S. Census Bureau): New York by County - Table GCT-PH1. Population, Housing Units, Area, and Density: 2000 Data Set: Census 2000 Summary File 1 (SF 1) 100-Percent Data, retrieved on February 6, 2009
外部リンク
Staten Island USA (英語) - 区長事務所のウェブサイト
NYC MTA Transit Bus Map of Staten Island (pdf file)
Timeline of Staten Island History on the New York Public Library site.- Staten Island Live
- The Staten Island Advance地域の新聞
- The Staten Island Yankeesの日本語サイト
- Staten Island Information
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