ボードゲーム
ボードゲーム(board game)とは、ボード(盤)上にコマやカードを置いたり、動かしたり、取り除いたりして遊ぶゲームの総称。盤上ゲーム、盤上遊戯とも呼ばれる。
目次
1 概説
2 歴史と分類
3 19世紀末までに生まれたゲーム
3.1 その他
4 20世紀以降に生まれたもの
4.1 ア行
4.2 カ行
4.3 サ行
4.4 タ行
4.5 ナ行
4.6 ハ行
4.7 マ行
4.8 ヤ行
4.9 ラ行
4.10 ワ行
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
概説
「board game」という語は、プレーヤーが実際に盤を囲んで楽しむゲームを指している[1]。[2]
ボードゲームの歴史は、遺跡の発掘品によって、少なくとも紀元前数千年前まで遡ると推定されている。→#歴史と分類
ボードゲームの分類方式の1つでは、歴史的な系統に着目し、5系統程度に分類する。ただし、近年は続々とボードゲームが生まれており、全てのゲームを分類しつくすのは難しい。→#歴史と分類
世界的に見て、現在、特に多くの人々に知られているボードゲームは、例えば、チェス、碁、オセロ、バックギャモンが挙げられる。
(他のゲーム名については#19世紀末までに生まれたゲームを参照のこと。)
日本に限って言えば、特に競技人口が多いのは、囲碁、将棋、連珠、オセロ であり、囲碁と将棋は毎週末にテレビ番組が放送されている[3]。また日本で子供時代にほとんどの人は双六をプレーする。
歴史と分類
- 歴史
最も古いボードゲームと推定されているのは、エジプトの紀元前3500年ころの遺跡および紀元前3100年ころの遺跡から発見されたセネトである。(なお、このタイプのゲームは世界各地に影響を与えたのか、en:Shahr-e Sukhteh(現在のイラン南東にあった都市)にも紀元前3000年ころには類似したボードゲームが見つかっており、東ローマ帝国ではタブラとなり、中国に伝わり「雙陸」と呼ばれ、日本にもすでに7世紀ころには伝わったと推定され「盤双六」と呼ばれ、あまりに人々が熱中するので日本では権力者によって禁止されるほどだったという。世界各地に様々なバリエーションがあり、1920年に米国でダブリング・キューブを用いる改変によって 有名なバックギャモンとなり、熱中する人が再び増えた。)
また古代エジプトではメーヘン(Mehen)という神話的蛇神の形をしたボードを用いるゲームが紀元前3000年ころから紀元前2300年ころにかけて行われていたらしい。
古代メソポタミアの都市国家、ウル(現在のイラク南部にあたる場所にあった、人類史上最も古い部類の都市国家のひとつ)の紀元前 2600年ころの遺跡から20のマス目の盤が発見されている。
中国では春秋時代(BC 770~403)には囲碁が生まれていたらしい。
インドで6世紀ころにはチャトランガがあったと考えられており、2人でプレイするタイプのルールが各地に伝わり変化するうちに、西欧のチェスや、中国のシャンチー(象棋)、日本の将棋等々になったと考えられている。
ゲームのテーマは時代とともに変化してきており、20世紀には、盤上で軍事作戦や会社の経営をできるだけ再現しようとしたシミュレーションゲームも盛んに遊ばれるようになった[1]。
- 分類
ゲームのルールの分類には様々な視点が可能であり、ボードゲームに限っても厳密に分類しきれるものでもない。だが、ゲーム史研究の分野では次のような分類がなされている[4]。
まず、駒を置く複数の位置が区別されているような、そのゲーム用に作られたボード(盤)を使うゲームをボードゲームと呼び、そのような盤は使わずに駒やカードだけを主に使うゲームをテーブルゲームと呼ぶ。後者(テーブルゲーム)に分類されるものは、カードゲーム、麻雀、ダイスゲームなどである。
この定義のボードゲームは次の5つに分類されている。
- 競争ゲーム(レースゲーム)駒を動かしてゴールに達することを競う。双六、バックギャモンなど。動きを決めるためにダイスを使うものが大多数である。
マンカラ 基本的には2列の穴と、そこに入れる小石を使い、sowing(種蒔き)と呼ばれる特殊な動きでゲームが進行する。- 包囲ゲーム 敵駒を囲むことを競う。狐と鵞鳥、囲碁など。
- 戦争ゲーム 敵駒を取ることを競う。チェス、将棋など
- 配列ゲーム 盤上に駒を特定の形で並べることを競う。連珠、ナイン・メンズ・モリスなど。
その歴史的変遷の図がウェブ上で公開されている(外部リンク参照盤上ゲームの系統と変遷)。
ルールだけを見れば、競争ゲームや包囲ゲームに戦争ゲームの駒取りの要素があったりするように、分類の境界が曖昧に見えるゲームもあるが、おそらくは歴史的系統の観点を踏まえて上記の分類がなされていると考えられる。また、人生ゲームやウォー・シミュレーションゲーム、ドイツのボードゲーム、など近現代に考案されたゲームのルールには上記の分類に当てはまりにくい要素もある。
19世紀末までに生まれたゲーム
ここではまず、19世紀末(1900年)までに誕生していた歴史の長いボードゲームを挙げる。
アフリカ
- マンカラ
アフリカでも特にエジプト発祥のものについては上記#歴史と分類を参照のこと。
インド
- チャトランガ
パチーシ (後に米国で「en:Parcheesi」となる)
蛇と梯子(インド発祥。生まれた時代は不明。19世紀にイギリスへ。)
ヨーロッパ
チェス(インドのチャトランガが、ペルシャに伝わり、いくつかの経路で9世紀にはヨーロッパに伝わり、西暦1000年ころには全ヨーロッパに広がり、1200年ころからルールの改変が行われた。1475年ころにはおおむね現在のチェスのルールになったらしい[5]。)- チェッカー
ナイン・メンズ・モリス(古代ローマ時代に生まれたと考えられ、中世イングランドで流行。)- Halatafl(北欧、14世紀以前。バイキングなどが遊んだ戦略ゲーム。「Halatafl」は「キツネの尻尾」という意味。キツネとガチョウの原型となった。)
ドミノ(中国の牌九で使われている牌を用いて、18世紀ころにイタリアでルールを改変して遊ばれ始めたらしい)
フィドヘル しばしば「チェス」と翻訳されるケルトのボードゲーム。ルール等の詳細は不明であるが伝承では単なる遊戯ではなく神秘的な役割を持っているとされる事がある。
米国
Halma(ハルマ) (米国、1883年か1884年。en:Chinese checkers、ダイヤモンドゲームの原型になったもの)
メソアメリカ
パトリ アステカのボードゲーム。それ以前のテオティワカンやマヤでも同様のゲームと思われる盤のあとが残る。
プルック、ブル (英語版) マヤのボードゲーム。ゲームの存在に関する最初の報告は1902-1903年だが、それより前から存在した。
アジア
中国
- 囲碁
シャンチー(象棋)(中国将棋)
牌九(パイゴー)
朝鮮
チャンギ(朝鮮将棋)- ユンノリ
日本
- 連珠
- 将棋
- 中将棋
- 軍人将棋
- 双六
- 福笑い
ごいた(北陸地方)
うんすんかるた(人吉市)
掛合トランプ(掛合町)- 十六むさし
その他
20世紀以降に生まれたもの
ここでは1901年以降に考案されたものを挙げる。
(考案年、考案者名、発祥国が明らかな場合、括弧内にできるだけ示す)
ア行
- アーカムホラー
- アグリコラ
アクワイア(Sid Sackson考案、1962年発売 )
穴掘りモグラ、モグラカンパニー(1995年、ベルトラム・カエスとヴァージニア・チャーベス考案、ドイツ)
アバロン(1987年、 Michel LaletとLaurent Léviが考案)- アフリカ
アベ・カエサル(1989年、Wolfgang Riedesser考案、ドイツ)- アムレット
アリマア(2002年にOmar Syed考案)- アンダーカバー、アンダーカバー2
- イースター島
- 1号線で行こう
- 1856
ヴィラパレッティ(Zoch Verlag考案、2001年発売)- ウサギとハリネズミ
- エアラインズ
- エルフェンランド
- エントデッカー、ニューエントデッカー
- 王への請願
- オールザウェイホーム
- 億万長者ゲーム
オセロ(長谷川五郎が考案。1973年発売、日本)- おばけキャッチ
- おばけ屋敷ゲーム
カ行
ガイスター、ファンタスミ(Alex Randolph考案、1982年発売)- 海戦ゲーム
カタンの開拓者たち(クラウス・トイバー考案、1995年に独Kosmos社より発売)- カピトール
- カヤナック
- カラバンデ
カルカソンヌ(Klaus-Jürgen Wred考案、2000年に独Hans im Glück Verlag社より発売)- カルタヘナ
- 貴族の務め
- キャントストップ
- 魚雷戦ゲーム
- クラウン
- グリード
クルード(en:Cluedo)- グローカルヘキサイト
- 原始スープ
- コズミック・エンカウンター
- 五目並べ
サ行
- ザーガランド
- サタスペボードゲーム 大大阪
- サッカーチェス
- ザップ・ゼラップ
- 砂漠を越えて
- サムライ
- シークエンス
- ジェンガ
- シャーク
- ジャワ
- ジャンクション
人生ゲーム(1960年、米国。その後、バリエーション多数)
スクラブル(1938年 Alfred Mosher Butts考案。米国)- スコットランドヤード
ストラテゴ(20世紀初頭の西洋軍人将棋)(en:Stratego)- 戦国武将ゲーム
タ行
- ちぇいにんぐ
- チクタクバンバン
- チグリス・ユーフラテス
- チケット・トゥ・ライド
- チャオチャオ
- ツイスター
- 冷たい料理の熱い戦い
- ティカル
- テイク・イット・イージー
- ディプロマシー
- テンペスト
- どきどきワクワク相性チェックゲーム
- トランスアメリカ
- ドラダ
- ドルンター&ドリューバー
- トレインレイダー
ナ行
- 汝は人狼なりや?
ハ行
- バウザック
- バルバロッサ(一部では粘土ゲームとも呼ばれる)
- バロンポテトの晩餐会
- パンデミック
- ピクショナリー
- ヒストリー オブ ザ ワールド
- ヒューゴ、ミッドナイトパーティー
- フィーア
- フィフティーンダイス
- フィレンツェの匠
- プエルトリコ
- プエブロ
- ブラフ
- ブロックス
- ヘキセンレンネン
- ヘックス
- 宝石の煌き
マ行
- マスターマインド
街コロ[6]
- マンハッタン
- ミシシッピ・クィーン
- ミスターダイアモンド
- ミリオンダイス
モノポリー(20世紀初頭、米国)
ヤ行
野球盤(第二次世界大戦前。日本)
郵便馬車(2006年、ドイツ)- 指輪物語
ラ行
- ラー
- ラックオー
ラビリンス(en:Amazing Labyrinth)- ラミーキューブ
- リスク
- レーベンヘルツ
- レジスタ・サッカーゲーム
- ロストシティ
ワ行
- ワルモノ2
脚注
- ^ abブリタニカ百科事典
^ 注 - ただし、最近では、ビデオゲーム化(コンピュータゲーム化)されているボードゲームが多数である。スポーツのホッケーやテニスがそうされたように、ボードゲーム(チェス、チェッカー、将棋、囲碁等)もビデオゲーム化されていて、ボードやコマ、カードを使わずにモニター画面上で盛んに遊ばれている。
^ 『囲碁の時間』および『将棋の時間』
^ 寒川恒夫;岸野雄三;山下晋司;大林太良(編)「民族遊戯大事典」大修館書店(1998/07)ISBN 978-4-469-01260-6
^ Hooper, David; Whyld, Kenneth (1992). The Oxford Companion to Chess, Second edition. Oxford; New York: Oxford University
^ “ボードゲーム『街コロ』が“ドイツ年間ゲーム大賞 2015”にノミネート! 日本作品の快挙”. 電撃オンライン. 株式会社KADOKAWA (2015年5月19日). 2016年5月7日閲覧。
関連項目
- ドイツのボードゲーム
- ヘクス
外部リンク
- 盤上ゲームの系統と変遷
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