棚田
棚田(たなだ)とは、傾斜地にある稲作地のこと。傾斜がきつく耕作単位が狭い状態において、水平に保たれた田が規則的に集積し、それらが一望の下にある場合は千枚田(せんまいだ)とも呼ばれる。英語では、 rice terraces と表現される。
また、棚田と同様に傾斜地を段状にした畑は、段々畑(だんだんばたけ)という。
目次
1 日本の棚田
1.1 概要
1.2 棚田の定義
1.2.1 農林水産省の認定制度
1.2.2 棚田の高付加価値化
1.3 棚田の営農特性
1.4 棚田の現状と将来
2 世界の棚田
3 日本の代表的な棚田
3.1 日本の棚田百選
3.2 日本の棚田百選一覧
3.3 重要文化的景観
3.4 世界遺産
3.5 その他の有名な棚田
4 脚注
5 関連項目
6 外部リンク
日本の棚田
概要
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日本の稲作の適地は、安定した水利を得られることに加えて、流れていく用水の管理が容易にできる土地である。土地には元々傾斜があるが、傾斜が少な過ぎる土地、および排水しづらい土地は湿地となるため、安定した稲作を行うためには、一定の農学・土木技術が必要であった。また、灌漑をする場合はある程度の傾斜が必要であり、傾斜があまりにも少ない河川下流域の沖積平野は、江戸時代以前は稲作をするのに不適当であった。すなわち、近世以前の稲作適地は、比較的小規模で緩やかな沖積扇状地、小規模な谷地、あるいは小規模で扱いやすい地形が連続する隆起準平原上などが主力であり、いずれも河川の中上流域が中心であった。これらの土地は緩やかな高低差があり、一つ一つの田の間に明確な高低差が生じて広い意味での棚田を形成することになる。
近世以降は灌漑技術が向上し、傾斜が少ない沖積平野でも、水路に水車を設けて灌漑や排水が出来るようになり、現在、穀倉地帯と呼ばれるような河川下流域の平野での稲作が広まった。
西日本は、地形的に急峻な山地がいきなり海に没する地形が多く、また沖積平野も比較的狭いところが多い上に、耕作適地は古くから高度に農地化されていたため、江戸時代、干拓を含めた沖積平野の開発の余地が乏しくなると、藩経済の基盤の石高を増やすため、今度は急傾斜の山岳斜面上に水田がつくられ、現在でいう棚田が多くつくられた。その際、伝統的な石垣構築の技術を生かし、少しでも収量を増やすため、棚田の畔(あぜ)や土手(どて)の部分(土坡、どは)は、極限まで収量を上げるために急な傾斜に耐えられる石垣でつくられた。
一方、東海地方北陸地方以東の東日本は、比較的広い沖積平野に恵まれていた上に、太平洋側を中心に低開発状態の洪積台地や河岸段丘面の農地開発の余地が大きく、日本海側を中心に扇状地でも開発の余地が広く存在したため、江戸時代に至っても、急峻な山地の傾斜面を切り開いて棚田をつくるまでに至らなかったところが多く、棚田はあまりつくられないか、つくられた場合でも畔や土手は傾斜が緩やかな土盛りとなり、西日本とは対照的な棚田風景となった。なお、東日本・西日本に関わらず、漁港の適地が海沿いの山に囲まれた入り江であることも多かったため、漁港から離れた平地の領地争いに敗れた漁村では、漁港近くの山に漁民の主食用の棚田がつくられる例がみられる。
戦後は稲作の大規模化・機械化が推し進められ、傾斜に合わせて様々な形をしていた圃場は、農業機械が導入し易い大型の長方形に統一されて整備された。(急傾斜)棚田ではこのような圃場整備や機械化は難しかったが、土木技術の進歩で大規模化に成功した山間地の棚田も多い。ただし、西日本の(急傾斜)棚田では、大規模化をしようとすると斜面を大きく削らなくてはならず、のり面の土砂崩れ対策など付帯工事の費用が莫大となるため、大規模化されなかったり、営農放棄されたりして荒廃していくところも多く見られた。
なお、稲作には灌漑が必要であるため、現在残る(急傾斜)棚田でももちろん灌漑設備が整っている。ただし、山間地にあるため河川は上流であり、日照りが続くと水量が簡単に減ってしまって水田が干上がってしまう問題があった。そのため、最寄の河川以外からも用水路を延々と引いたり、ため池を築造したりして天水灌漑を行ったりした。それらの方法が困難な場所は、田の地下に横穴を設け、湧き水や伏流水など地下に涵養された水を利用する場合もある。
棚田の定義
陸上のすべての地形には大なり小なり何らかの傾斜が存在し、かつ水田に溜められる水面は当然水平になる以上、定義としては、すべての水田は棚田ということになる。
紀伊国伊都郡志富田荘(和歌山県かつらぎ町)の棚田の反別、収穫量を記した建武5年(1338年)の高野山文書では、「棚田一反御得分四十歩ハ・・・」と棚田の文字がみえる。(棚田学会)
群馬県沼田市で、古墳時代後期(6世紀中頃)の棚田遺構が見つかっている。
農林水産省の認定制度
現在、「棚田」といえば「急傾斜の山間地の階段状水田」を指す。そのため、農林水産省は傾斜の度合いで棚田を定義しており、機械化の度合いや農業文化についての規定はない。
- 農水省の定義
- 傾斜度が20分の1(水平距離を20メートル進んで1メートル高くなる傾斜)以上の水田を「棚田」として認定する。認定された棚田は、助成金が交付される。
農水省と日本土壌協会が、1993年に行った現地調査では、農水省の定義による「棚田」は22万1067ヘクタールとされている。この棚田の面積は当時の全水田面積の約8%を占めており、かなり一般的な水田形態であることが分かる。しかし、この当時すでに12%が耕作放棄されていた。
棚田の高付加価値化
棚田では、その排水能力の高さから、ワサビなどの付加価値の高い商品作物を栽培している例も多い。また、棚田でとれた米であることを前面に出してアピールしブランド商品化している例もある。
棚田の景観を維持、または、観光地としてのリピーター醸成のためにオーナー制度を導入している地域が多数存在する。根拠法は市民農園整備促進法や特定農地貸付法[1]。「オーナー」は期限付きであり、農民の小作化ではない。農民以外が農地を取得するのは、農地法上問題であるため、「オーナー」とは名ばかりであり、不動産取引でもない。すなわち、「オーナー制度」はオプション取引にあたり、農村の副収入増加とリスクヘッジを達成できる。
棚田の営農特性
平野の圃場大型化整備の際に行われた田圃の所有権の整理が棚田ではされていないため、外部の者が一体的な風景に見える棚田の所有権はかなり複雑に入り組んでおり、1世帯あたりの耕作面積も少ない。そのため、農業機械の導入には経済的負担が大きく、兼業化しないと農業を続けられないことも多い。兼業には「世帯主」の兼業と「世帯」の兼業があるが、世帯の兼業では農業ノウハウを持った世帯主が農業に従事し、それ以外の子や孫が他業種で収入を得る。世帯の兼業では子や孫に農業ノウハウが受け継がれないので、営農者の世代交代が進まず、営農の主体が高齢化し、最終的に営農放棄となる。世帯主の兼業では、兼業しながらの営農法や家計ノウハウが受け継がれるため、営農放棄に至る確率は比較的低い。
棚田は1つの田当たりの耕作面積が小さく、「大型」農業機械の導入が困難である。しかし、棚田まで、あるいは棚田間に舗装された道路を通すことで、「小型」農業機械の導入は可能である。一般的に、1つの集落では同時期に同じ農作業が重なってしまうため、効率の悪い「小型」の方が集落全体での共有化が難しい。しかし、棚田は山の上と下で農作業時期が微妙に違うため、平地の集落に比べて農業機械の共有化がし易い。今まで農協(金融部門)は、貸付残高を増やすために戸別の農業機械導入を進めていたが、貸付リスクの少ない共有化に貸付の方向を変えており、棚田の農業システムに変化が起きている。
棚田の現状と将来
棚田はかつて平野が少ない山間部や海岸部の食料自給に貢献し、現代でも景観や生物的多様性の保持に大きな役割を担っている。だが米が余剰になるにつれ、耕作効率の悪さから作付けが放棄される例が増えている。農水省は2005年で棚田の面積調査を中断したが、早稲田大学名誉教授(地質学)である中島峰広の推計によると、全国にある水田の約1割にあたる15万haが棚田で、この30年間で4割が消えた。上記の「棚田の高付加価値化」や、後述の「日本の代表的な棚田」で解説されているように、棚田栽培米のブランド化やオーナー制導入、機械化などにより棚田の保全する取り組みが各地で模索されている[2]。
世界の棚田
世界各国で、米作を行っている山間地域には、ほぼ棚田のような耕作地を見ることができる。中華人民共和国、フィリピンの棚田は特に有名である。
また中華人民共和国の雲南省にある棚田は、世界最大とも言われている。この地域は、2013年に紅河哈尼棚田群の文化的景観としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。
米作水田ではないが、南米ペルーのウルバンバ渓谷には、岩塩が溶けた湧水をためて食塩を採取する棚田状のマラス塩田(サリーナス・デ・マラス、Salinas de Maras)がある[3][4]。
ネパールの千枚田
フィリピン・バナウエにある棚田。世界遺産、世界農業遺産登録。
中国・雲南省の棚田。世界遺産、世界農業遺産登録。
中国・広西チワン族自治区の棚田
アフガニスタン
イエメン
ウガンダ
マダガスカル島
ペルー
スイスのブドウ畑
北大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島のバナナ畑
日本の代表的な棚田
日本の棚田百選
農林水産省は、農業収入や兼業のみでの棚田の維持が難しいと考え、観光地化を目的とした日本の棚田百選を選定した。1999年7月16日に発表された百選には、全国117市町村・134地区の棚田が選ばれている。
百選には、傾斜度が20分の1よりも急で、いかにも「棚田」と思えるような場所が選ばれており、日本古来からの営農法が受け継がれていると考えがちであるが、実際は機械化が進んでいる。しかし、「観光地」として選ばれたため、田植え体験や稲刈り体験など、古来からの農業体験をする場、または「グリーンツーリズム」の場として、農村の形態は変化している。
日本の棚田百選一覧
岩手県
- 山吹(一関市)
宮城県
- 西山(栗原市栗駒松倉西山)
- 沢尻(丸森町大張川張字宗膳)
山形県
- 椹平(朝日町)
- 大蕨(山辺町)
- 四ヶ村(大蔵村)
栃木県
- 石畑(茂木町)
- 国見(那須烏山市)
千葉県
大山(鴨川市)
- 土坡で築かれた棚田で、耕作されている水田は375枚。NPO法人大山千枚田保存会が1997年に設立。多くの都市住民が保存会会員や棚田オーナーになっている。豆腐づくりやみそづくりなど多彩な活動をしている。文化庁の文化的景観の保存・活用事業の対象地域になっている。
2006年4月23日 - 棚田に酒米を植える「酒づくりオーナー企画」が始まった。登録したのは今年も180人ほど。今年で3年目。都市住民と地元の農家など棚田の保存を望む人たちが田植えした。苗は「総(ふさ)の舞」で清酒「棚田の舞」となってオーナーに渡される。田植え、草刈り、稲刈り、ぐい飲みつくり、酒造工場見学根戸で交流を深める。
新潟県
- 上船倉(上越市)
- 蓮野(上越市)
- 狐塚(十日町市)
- 梨ノ木(柏崎市)
- 花坂(柏崎市)
- 大開(柏崎市)
- 北五百川(三条市)
長野県
- 宇坪入(小諸市)
- 稲倉(上田市)
- 姫子沢(東御市)
- 滝の沢(東御市)
- よこね(飯田市)
- 重太郎(大町市)
青鬼(白馬村)- 慶師沖(長野市)
- 根越沖(長野市)
- 原田沖(長野市)
姨捨(おばすて)(千曲市)
- 月夜にあぜ道を歩くと小さな田んぼに月が写るので「田毎の月」と名付けられた。1999年、四十八枚田などの代表的な景勝地が国の名勝に指定された。棚田の文化財指定はこれが初である。更に2010年には前述の名勝指定地を包含する64.3ヘクタールが重要文化的景観として選定された。
- 塩本(長野市)
- 田沢沖(長野市)
- 栃倉(長野市)
- 大西(長野市)
- 福島(飯山市)
富山県
- 長坂(氷見市)
- 三乗(富山市)
石川県
- 奥山田(津幡町)
- 大笹波(志賀町)
白米(輪島市)- 国連食糧農業機関の世界重要農業遺産システムに登録
福井県
- 梨子ヶ平(越前町)
- 日引(高浜町)
静岡県
- 久留女木(浜松市)
- 大栗安(浜松市)
- 荒原(伊豆市)
- 下ノ段(伊豆市)
- 北山(沼津市)
愛知県
- 四谷(新城市)
- 長江(設楽町)
岐阜県[注 2]- 正ヶ洞(郡上市)
- 上代田(八百津町)
- 坂折(恵那市)
- 田頃家(飛騨市)
- ナカイ田(高山市)
三重県
丸山(熊野市)
2005年(平成17年)11月の合併まで南牟婁郡紀和町。1993年(平成5年)からの復元事業で耕作放棄田の810枚(2.4ha)が復元された。地元農家が耕作する530枚(4.6ha)と合わせた棚田は1,340枚(7ha)。石垣で築かれたこの棚田の段数は、100段近くある。四分の一勾配(水平距離4m行って1m高くなる≒14度)という急傾斜で、上の田から下の田までの標高差は100mもある。1601年(慶長6年)の検地帳には2,240枚あったと書かれているという。棚田の維持・管理は丸山集落住民による千枚田保存会と財団法人紀和町ふるさと公社が関わっている。丸山集落は戸数33戸。住民の平均年齢は約70歳。農作業は、集落住民と守る会会員、棚田オーナー(113組・517人)が参加する。
- 深野(松阪市)
- 約300万個の石で積み上げられた石垣の総延長は約120kmに及ぶ。「石の芸術」と呼ばれている。
- 坂本(亀山市)
滋賀県
- 畑(高島市)
京都府
- 毛原(福知山市)
- 袖志(京丹後市)
奈良県
- 稲渕(明日香村) - 2011年、重要文化的景観として選定された「奥飛鳥の文化的景観」に包括、稲渕より奥の栢森にも棚田がある
和歌山県
蘭島(あらぎじま)(有田川町) - 2013年、重要文化的景観として選定
大阪府
- 下赤阪(千早赤阪村)
- 長谷(能勢町)
兵庫県
- 岩座神(多可町)
- 乙大木谷(佐用町)
うへ山(香美町)- 西ヶ岡(香美町)
鳥取県
- 横尾(岩美町)
- 舂米(つくよね)(若桜町)
島根県
- 中垣内(益田市)
- 山王寺(雲南市)
- 大原(奥出雲町) - 2014年、重要文化的景観として選定された「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」に包括
- 神谷(邑南町)
- 都川(浜田市)
- 室谷(浜田市)
- 大井谷(吉賀町)
岡山県
北庄(久米南町)- 上籾(久米南町)
- 小山(美咲町)
- 大垪和西(美咲町)
広島県
井仁(安芸太田町)
山口県
東後畑(長門市)
香川県
- 中山(小豆島町)
徳島県
樫原(上勝町)- 下影(三好市)
高知県
- 神在居(檮原町) - 2009年、重要文化的景観として選定された「四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田」に包含される
愛媛県
- 泉谷(内子町)
- 堂の坂(西予市)
- 奥内(松野町)
福岡県
- 広内・上原(八女市)
- つづら(うきは市)
- 白川(朝倉市)
- 竹(東峰村)
佐賀県
蕨野(唐津市) - 2008年、重要文化的景観として選定- 大浦(肥前町)
浜野浦(玄海町)
岳(有田町)- 江里山(小城市)
- 西の谷(佐賀市)
長崎県
- 鬼木(波佐見町)
- 土谷(松浦市)
- 日向(川棚町)
- 大中尾(長崎市)
- 谷水(南島原市)
- 清水(雲仙市)
大分県
- 由布川奥詰(由布市)
内成(別府市)- 軸丸北(豊後大野市)
- 山浦早水(玖珠町)
- 両合(宇佐市)
- 羽高(中津市)
熊本県
- 扇(産山村)
日光(にちこうのたなだ 八代市)
- 2013年10月、地元全25世帯とNPO法人ハーヴェストにより、地域ぐるみで景観を守るための日光の棚田活性会を設立し共同管理を開始
- 天神木場(八代市)
- 美生(八代市)
- 大作山(上天草市)
- 番所(山鹿市)
- 松谷(球磨村)
- 鬼の口(球磨村)
- 寒川(水俣市)
- 菅(すげのたなだ 山都町)
- 峰(みねのたなだ 山都町)
宮崎県
- 真幸(えびの市)
- 栃又(高千穂町)
- 尾戸の口(高千穂町)
- 徳別当(高千穂町)
- 石垣の村(日之影町)
- 鳥の巣(五ヶ瀬町)
- 下の原(五ヶ瀬町)
- 日蔭(五ヶ瀬町)
- 坂元(日南市) - 2013年、重要文化的景観として選定
- 向江(西米良村)
- 春の平(西米良村)
鹿児島県
- 内之尾(薩摩川内市)
- 佃(南九州市)
- 幸田(湧水町)
重要文化的景観
文化財保護法に基づき、文部科学大臣が選定した重要文化的景観のなかには棚田を含むものがある。
- 奥飛鳥の文化的景観(奈良県高市郡明日香村) - 2011年選定
蘭島及び三田・清水の農山村景観(和歌山県有田郡有田川町) - 2013年選定- 中国地方奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観(島根県仁多郡奥出雲町) - 2014年選定
姨捨の棚田(長野県千曲市) - 2010年選定
樫原の棚田(徳島県勝浦郡上勝町) - 2010年選定- 四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田(高知県高岡郡梼原町) - 2009年選定
蕨野の棚田(佐賀県唐津市) - 2008年選定
平戸島の文化的景観(長崎県平戸市) - 2010年選定
通潤用水と白糸台地の棚田景観(熊本県上益城郡山都町) - 2008年選定- 酒谷の坂元棚田及び農山村景観(宮崎県日南市) - 2013年選定
世界遺産
春日集落の棚田…重要文化的景観の「平戸島の文化的景観」に含まれており、2018年に長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の構成資産として、棚田としては国内初の世界遺産に登録された[5][6]。
その他の有名な棚田
- 『日本経済新聞』NIKKEIプラス1「何でもランキング」は2017年8月26日付で、写真家らが「フォトジェニック」(写真映え)を基準に選んだ棚田10カ所を掲載した。百選にない場所としては、新潟県十日町市の星峠(1位)、岩手県一関市の金山(7位)が入っている[7]。
ぎふの棚田21選(岐阜県)のように、各地域が独自に選定している一覧もある。
埼玉県秩父地方の横瀬町にある「寺坂棚田」は約250枚、4ha程度と県内最大級の棚田で、観光客や写真愛好家に人気がある。耕作放棄地を2001年以降、オーナー制度などの取り組みで復活させた[8]。- 岡山県美作市の上山(うえやま)地区では、かつて約8300枚あった棚田の再生活動が、移住者を交えて進められている[9][10][11]。
脚注
- 注釈
^ 奈良県生駒市西畑町棚田 この地区における耕作風景。遠くで細長く小さな田んぼを耕耘機で作業している様子が分かる。
^ 岐阜県は独自に、ぎふの棚田21選を選出している。
- 出典
^ 市民農園の新時代!(農林水産省 関東農政局)
^ 【センサー】棚田が消えていく/減反が今年終了、高齢化も影/「手間2倍」耕作放棄進む『日本経済新聞』朝刊2017年6月19日(社会面)
^ ペルーの塩田ナショナルジオグラフィック日本語版サイト(2018年3月15日閲覧)
^ 『ニュートン』2018年2月号、ニュートンプレス、 16頁。
^ “長崎、天草の「潜伏キリシタン」が世界文化遺産に決定 22件目”. 産経新聞. (2018年6月30日). https://www.sankei.com/life/news/180630/lif1806300038-n1.html 2018年6月30日閲覧。
^ “長崎と天草地方の「潜伏キリシタン」世界遺産に”. 読売新聞. (2018年6月30日). http://www.yomiuri.co.jp/culture/20180630-OYT1T50066.html 2018年6月30日閲覧。
^ 「棚田 移ろう絶景を見に行こう」『日本経済新聞』朝刊2017年8月26日 NIKKEIプラス1
^ 【ぐるっと首都圏】寺坂棚田(埼玉県横瀬町)都市住民参加で復活『日本経済新聞』朝刊2017年10月7日(首都圏経済面)
^ みまさか観光ナビ(2017年12月27日閲覧)
^ 上山集楽(2017年12月27日閲覧)
^ 英田上山棚田団通信山陽新聞digital(2017年12月27日閲覧)
関連項目
- 灌漑
- 稲作
- 圃場整備
- アグリツーリズム
- オプション取引
- 文化財
- 世界遺産
- 元陽県
- ハニ族
- 段々畑
- 美しい日本の歴史的風土100選
- ビオトープ
- 地球工学
外部リンク
棚田シーン - 静岡県 映像による棚田の解説
- 棚田学会
日本の棚田百選 - 地域環境資源センター- NPO法人 棚田ネットワーク