Ingress











































Ingress

Ingress Logo vector.svg

ゲーム
ゲームジャンル

拡張現実
オンラインゲーム
対応機種

Android、iOS
開発元

Niantic, Inc.
発売元

Google
発売日

2013年12月15日
売上本数
1400万ダウンロード[1]

テンプレート - ノート
プロジェクト

ゲーム
ポータル

ゲーム




剣ヶ峰の石碑。「富士山頂上 剣ヶ峰」の名前でポータル登録されている[2][3]


Ingress』(イングレス)は、スマートフォン向けの拡張現実技術を利用したオンラインゲーム・位置情報ゲーム。開発・運営を行うのは、もとはGoogleの社内スタートアップで、2015年8月にGoogleから独立したナイアンティック社(Niantic, Inc.)。2012年11月に招待制でベータ版の運用が開始され、2013年10月に誰でも参加可能のオープンベータに移行し、2013年12月15日に正式運用が開始された。当初はAndroid専用であったが、2014年7月23日よりiOSにも対応した。


プレイするためのアプリケーションはGoogle PlayおよびApp Storeで無料で提供されている。当初はアイテム課金はなかったが、2015年10月29日に有料アイテムの販売を開始した。Googleのサービスであるため、プレイにはGoogleアカウントが必要。また、必須ではないがGoogle+への参加が推奨されていたが、2019年4月のGoogle+閉鎖に伴い、ストーリーキャラクターからFacebookへの移行が示唆されている[4]


当初は英語のみであったが、2015年3月25日に日本語に対応。


キャッチコピーは、「The world around you is not what it seems.」(あなたの周りの世界は、見たままのものとは限らない)




目次






  • 1 概要


  • 2 開発


  • 3 ストーリー


    • 3.1 設定




  • 4 ゲームのルール


    • 4.1 エージェント


    • 4.2 ポータル


      • 4.2.1 ポータルの審査基準




    • 4.3 ポータルに対する接近と確保


    • 4.4 リンクとコントロールフィールド


    • 4.5 レベル




  • 5 その他


    • 5.1 ミッション


    • 5.2 イベント




  • 6 タイアップ


  • 7 テレビアニメ


  • 8 漫画


  • 9 脚注


    • 9.1 注釈


    • 9.2 出典




  • 10 関連項目


  • 11 外部リンク





概要




2013年春にワシントンD.C.で開かれたプレイヤーイベントの様子


ゲームのコンセプトは陣取りゲームである。プレイヤーは2つの勢力のうちのどちらかに属する。世界各地に存在する「ポータル」を自勢力の所有とし、ポータル同士を「リンク」して三角形を描くと、その内側が「コントロールフィールド」と呼ばれる自陣になり面積によって得点が加算される。その合計値を競う。


最大の特徴は、ゲームフィールドが現実世界そのもので、現実のGoogle マップによる地図だということである。ポータルは全て世界中に実在する建造物やモニュメントなどに割り当てられており、ゲーム中でポータルを確保するためには、実際にその場所まで行かなければいけない。そのため、スマートフォン上で衛星測位システム(GPS)機能を有効にすることがプレイの前提となっている。スマートフォンでインターネット接続と位置情報の取得ができれば世界中どこでもこのゲームをプレイすることができる。


ゲームの背景となるストーリーが設定されており、動画などの形式で少しずつ公開されている。このストーリーに基づいた大規模イベント「XMアノマリー」が世界各地の都市で発生することもあり、イベントでの両陣営の結果はストーリーにも影響を及ぼす。


現実世界で展開されるというゲームの特性上、周辺地域のプレイヤーでコミュニティを形成したり[5]、オフラインミーティングが活発に行われている。また、岩手県[6]や横須賀市[7]のようにIngressを観光振興に活用する自治体も出現したほか、ローソン[8]やZipcar[9]、アクサ[10]のようにIngressと提携してプロモーションを実施する企業も存在している。


2015年より前はゲーム内課金がなく、その後も有料アイテムがほとんどない代わりに、外を長時間移動するためにゲーム外で出費が多く発生する。スマートフォン用モバイルバッテリー[注 1]や移動費などといったIngressに関係する出費はユーザの間で通称「リアル課金」と呼ばれる[11]


2018年11月にIngress 2.0(Ingress Prime)、およびREDACTEDスキャナー(ポータルの申請/写真の提案/無効なポータルを報告する機能を使えるIngress 1.0が改名されたアプリ)が公開された[12][13]


2018年10月からフジテレビの新アニメ枠「+ultra」でのアニメ化が決定した。企画としてゲームとアニメ、現実の連携が予定されている。



開発


開発にあたるナイアンティックは、もとはGoogleの社内ベンチャーとして創業された「ナイアンティック・ラボ」(Niantic Labs)で、創業者でGoogle副社長でもあったジョン・ハンケを始め、Google mapやGoogle Earthを開発していた主要なメンバーから構成されていた。創業の目的は、モバイル端末やウェアラブル端末の普及に伴い、モバイル端末のキラーアプリとなりうる屋外で使うためのアプリ開発であった[14][15]。その第一弾が、位置情報を使って地域情報をプッシュ通知する『Field Trip』であり、次は位置情報を使って地域の名所を使って陣取りをするゲーム『ingress』であった。ingressの制作動機の一つに、ハンケの子供が家の中でゲームをしているのを見て、「せっかく外は晴れていて世界は素晴らしいのに、ずっと家の中にいるなんて」と考え、外へ連れ出すための方法としてゲームを使うことを考えたということがあるという[15]


ハンケはGoogleにおけるナイアンティック・ラボの使命について次のように語っている。


.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}


歩いて冒険をすること。それは技術を使って、リアルな世界と人々をつなぐということです。テクノロジーを使って、遠くにあるものの情報を得るのではなく、自分の身の回りにあるものをどう感じ取れるか?どう変化させていけるのか? ということに注力しています。バーチャルなものを変えていくのではなく、実際に触れるリアリティのあるものをより面白くよりミステリアスに変えていくことがわれわれにとっては大事なんです。



石巻市で2014年に開催されたイベントでのジョン・ハンケのインタビューより[16]


Ingressの今後について、ナイアンティックの社員である川島優志は、プレイヤーが申請してきた世界各地の「ポータル」に関するデータベースを、別の企業やクリエイターに開放し、ゲームや教育など様々なアプリケーションやサービスを開発してもらうことを考えているという[17]。ハンケも、「イングレスをプラットフォームとして発展させ、イングレスの上でクリエイターやデベロッパーがイングレスのようなゲームを作れるような環境を作っていく」「外に出て遊べるようなゲームを作れるプラットフォームとして育てていく」ことがIngressの展望だと述べている[16]。Ingressのデータベースを利用したゲームの第一弾が、2016年にナイアンティックからリリースされたPokémon GOとなる。



ストーリー


世界には、人間の心身に対して“啓発的な”効果を及ぼす謎の物質が存在していた。CERNでの実験で偶然この物質を発見した研究者たちは、この物質を「エキゾチック・マター (XM)」と呼んだ。XMの研究のため、NIA(アメリカ国家情報局)はCERN付近に研究者らを集め「ナイアンティック計画」(Niantic Project)を立ち上げた。その過程で、XMは秩序と知性を持つと考えられること、臨界量を超えるXMに被曝した者は「シェイパー」と呼ばれる存在の影響を受け彼らに侵略されるということが判明した。人類の文化や古代文明の発展も、その滅亡も、シェイパーの影響によるものではなかったかと考える者もいる。


XMは全世界に分布していたが、とりわけ、文化的・芸術的・宗教的に重要な場所に密集しており、このような場所は「XMポータル」と呼ばれた。


しかし、2012年11月30日深夜、オリバー・リントン=ウルフ博士によりCERNで行われていたパワーキューブについての実験が失敗し、大量のXMが流出してしまう事件が発生した。ナイアンティック計画はこの「啓示の夜」事件により崩壊した。
以前よりナイアンティック計画に疑問を抱いていた、ナイアンティック計画の主任研究者であるデヴラ・ボグダノヴィッチ博士はADAの助けの元、ローランド・ジャービスと共に脱走するがジャービスはスイスのチューリッヒ駅で暗殺された。しかし、ジャービスは同年12月30日にサンフランシスコにあるポータルで目撃され、ポータルネットワーク内に思念体として存在していることが分かった[18]
一方、「啓示の夜」で過度のXMに被曝した研究者は狂気に取り憑かれたような行動を開始し、これによってXMの無限の可能性(あるいは危険性)を知った研究者たちは、米中露の軍事企業やシェイパーを崇拝する結社などと組んで、それぞれシェイパーを助ける、あるいはシェイパーと戦う行動を開始した。研究者たちの一部はわずかな改造を施した携帯電話上で機能する「スキャナ」技術を開発した。これによって、実世界に存在するXMポータルを観察し、操作出来るようになった。ところがほどなくスキャナ技術は漏洩してしまい、Google Playに「ゲーム」としてアップロードされた。以来、数百万にのぼる人々が、XMの性質や、その人類への影響などに関わる実験を行った。その結果、エンライテンドとレジスタンスという2つの派閥(Faction)が生まれた[19]



エンライテンド(Enlightened (ENL), 覚醒派閥)

異世界からの意思を、人類を次のステージに引き上げるための手掛かりと考えXMを積極的に利用しようとしている人達。シェイパーの平和的な地球進入を助け、人類の覚醒を促す。

指導者は、「啓示の夜」事件によりスイスで暗殺されたナイアンティック計画のメンバーであった研究者の一人、ローランド・ジャービス(Roland Jarvis 声:JB・ブラン)。その意識はXMの中に遍在している。

ゲーム内において緑色で表示される。シンボルマークはエジプトのホルスの目を思わせるデザイン。

レジスタンス(Resistance (RES), 抵抗派閥)

XMを正しく制御していくべきだとする人達。シェイパーの地球侵略に抵抗し人類を守るため、制御されたXMを用いる。

指導者はナイアンティック計画の支援のために起用されたAI、ADA(エイダ)(A Detection Algorithm 声:ローラ・ベイリー、2016年8月より日本語版では緒方恵美が起用されている[20])。機械と人類との融合を目指している。

ゲーム内において青色で表示される。シンボルマークは盾(ホームベース型)の上に鍵を重ねたようなデザイン。


2013年8月にはオリバー・リントン=ウルフ博士が思念体であるジャービスを弱体化させ、自らがエンライテンドのリーダーとなるべくオペレーションカサンドラを発動させる。しかし、逆にオリバーはジャービスから何らかの攻撃を受け、命の危険にさらされてしまう。
その後、ヒューロン社に移ったオリバーは、アメリカ疾病予防管理センターに保管されてたジャービスの遺体を盗み出し、同年10月に行われた13MAGUNUSアノマリーでダークXMを用いてジャービスを攻撃した。この攻撃でジャービスは13の破片(シャード)に分かれるが、同年12月まで行われた13MAGUNUSアノマリーでエンライテンドが勝利し、結果としてサンフランシスコでジャービスは復活を遂げた。[18]



設定


プレイヤーは「エンライテンド」か「レジスタンス」どちらかの勢力の「エージェント」となり、自らのスマートフォンを「スキャナー」として用いる。スキャナーで各地に存在する「ポータル」を探し出し、それらをリンクさせて「コントロールフィールド」を作り、その範囲内にある地域に住む人々を支配下に置く。


最終的には、同じ派閥に属する他のエージェントと協力し、全世界を守る(または解放する)ことが目標である。


ストーリーはGoogle+などのアカウントを保有するキャラクター(俳優など実際の人が演じている)や公式アカウントがSNSにストーリーの一部を投稿したり、あるいはゲーム内アイテムであるメディアによって展開されていく。



ゲームのルール



エージェント



  • プレイヤーは「エンライテンド」か「レジスタンス」、どちらの派閥(Faction)のエージェントになるかを選んでゲームを開始する。アイテムは基本的に同じものを使うため、アイテム自体の効果設定の勢力による能力差は存在しない。

  • コードネーム(プレイヤー名)および所属派閥は原則として変えることはできない。また、位置情報ゲームゆえにプレイヤーの生活範囲が分かる場合もあるため、コードネームは他の活動とは関係ない匿名性の高いものが推奨されている[21]

    • コードネームは誤って本名を入力してしまった場合などのみ変更可能であるが、Googleの審査を経る必要がある[22]

    • 派閥を変更する場合も申請が必要である[22]。許可されるのは1プレーヤーにつき1回で、変更後はアイテム・経験値などが全て初期化される[22]



  • ゲーム中でエンライテンドは緑、レジスタンスは青、中立は白で表される。



ポータル


ゲーム開始当初に存在した若干のポータルを除き、ポータルはナイアンティックが各地に配置したものではなく、ほぼすべてユーザーがポータルにふさわしいと思うものをゲーム画面から申請した結果認められたものである。そのためポータルはプレイヤーの多い国や都市部に偏って存在するという側面もある[23]。ポータル申請が殺到した結果、審査の基準見直しと円滑化のため、2015年9月5日をもって新規ポータル申請・審査は一時停止された[24][23]


2016年7月の時点で、1,500万のポータル候補がユーザーから申請済であり、そのうち500万がゲーム内にポータルとして出現した[25]。2016年4月には東北から北関東の沿岸部の東日本大震災被災地で、被災地支援や都市部とのポータル格差解消などの意図から、『Initio Tohoku Mission』というポータル申請イベントが限定的に行われた[26]が、Pokémon GOリリース後には依然としてポータルが都市部へ偏在していることが問題となった。


2016年11月より、『Operation Portal Recon』(ポータル・リコン)ベータ版が開始され、最高レベルに達したユーザーのうちテストに合格した者に、2015年9月までに申請され審査未了のままになっていた自分たちの地域のポータル候補を審査させることとなった。ベータ版の最初の対象地域はアメリカのサンフランシスコ市周辺、および日本の東北地方と九州地方であった[27][23]。その後、対象国・地域を次第に拡大し、2017年4月12日には日本のレベル15・16のユーザー全員が対象者として招待された。2017年5月11日には全世界のレベル16ユーザーにポータル・リコンが開放され、同時に審査数によって実績メダルを配布することが明らかにされた[28]。審査に必要なレベルは段階的に引き下げられ、2017年7月12日にレベル12がポータル・リコンを利用できるようになったところで対象者の拡大は終了となった[29]


ポータル・リコンの進展にあわせ、2017年4月22日にはブラジルと韓国限定でレベル8以上のユーザーによるポータル申請が再開され[30]、2017年9月26日にはすべての地域でレベル11以上のユーザーによるポータル申請が再開された[31]
2018年6月現在、レベル10から申請可能になり、2週間で14件のポータル申請が可能である。



ポータルの審査基準


  • 文化的・芸術的・宗教的に重要な場所。

    • 具体的には史跡、記念碑、彫像、パブリックアート、図書館、郵便局、駅、教会、神社など[32][33]
      • ただし、大学を除く学校や、消防署や病院、警察署のような拠点、個人の宅地、危険な場所、景観、永久的でないものについては承認されない可能性が高い。


    • その地域でポータルに適すると思われる場所があれば、ゲーム上から新規ポータルの候補として申請することができる。運営にて審査し認められれば新たにポータルが増える。

    • ポータルの審査はNiantic Labs側が人力で実施しており、審査完了に要する期間は通常3〜4週間とされていた[34]が、地域や状況によって実際の審査期間は大きく異なった。2015年2月時点で、審査は数カ月から1年待ちとも言われていた[35]




ポータルに対する接近と確保



  • ポータルから40メートル以内に近づき、ポータルを「ハック」すると各種アイテムが手に入る。ポータルはスキャナを目視で確認しながら現場まで足を運ぶ必要があるが、「NAVIGATE」と書かれたボタンを押すことでそのポータルまでのおよその距離と方角が音声で表示されるようになり、ガイドにして進むことが出来る。

    • ただし表示されるのはあくまで位置情報(方角と直線距離)であり経路が表示されるわけではないため、道路や河川、壁などに隔てられた場所にポータルが存在するといったケースも起こりうるので注意が必要。

    • ハックボタンを長押しすることで「グリフハック」(Glyph HACK)と呼ばれるミニゲームをすることができる。グリフハックは最初に「お手本」として表示される1 - 5個の図形(グリフ)を一筆書きの要領で順番に描くもので、その正答数に応じてアイテムの獲得率が増える。グリフにはそれぞれ独自の英単語が名称として割り振られており、一度のハックで表示されるグリフの名称を続けて読むとメッセージのような並びになっている。図形の順番にはパターンがあるため、覚える上での目安になる[36]
      • 表示されるグリフの数や出現するアイテムのレベルは、ポータルおよびプレイヤーの低い方のレベルに依存する。




  • ポータルに「レゾネーター」を設置するとそのポータルが自勢力のものとなる。
    • 敵派閥のポータルに対しては、「XMP バースター」や「ウルトラストライク」といったウェポンアイテムで全てのレゾネーターを破壊し、いったん中立に戻してからレゾネーターを設置することで自勢力のものとなる。


  • 味方陣営のポータルにはMODとよばれるアイテムを設置することが可能(最大4つ、同一のアイテムを複数設置すると効果が大きくなる)。アイテムによって後述のリンク可能な距離が伸びたり、レゾネーターの攻撃耐性が向上したりする。

    • 同一ポータルに個人が設置できるのは2つまで。4つ設置するには最低でも二人必要となる。

    • MODは、ポータル自身が被弾したときまれに壊れる。ウルトラストライクはMODの破壊率が高い。





リンクとコントロールフィールド



  • ポータルにレゾネーターを8本設置するとそのポータルから他の自勢力のポータル(レゾネーターが8本設置済み)を「リンク」すること(または「リンク」されること)ができる。

    • ポータル同士をリンクするには、リンク先ポータルの「ポータルキー」が必要になる。ポータルキーはハックで得ることができるアイテムの一種である。

    • ポータルのレベルによってリンク可能な距離は変化する[37]。最高レベル(レベル8)のポータルで655km、更にリンク距離を延ばすMODを併用すれば最長6,877kmの距離でリンクが可能となる。



  • 3つのポータルを三角形を描くようにリンクすると、地図上のその部分が自勢力の「コントロールフィールド」(Control Field, CF)となる。コントロールフィールドを作成すると、その面積と領域内の人口に応じた「マインドユニット」(MU)と呼ばれる得点が手に入る。
    • 人口が非常に大きく影響するため、同じ面積のコントロールフィールドならば地方よりも都市部の方がMUの値が大きくなる[37]


  • 逆に、敵派閥のコントロールフィールドを構成しているポータルのレゾネーターを破壊し中立に戻すと、リンクおよびコントロールフィールドも破壊され、その分のMUの値を減少させることができる。

  • 作成するリンクは、既存のリンクと(それが自勢力のものであれ敵派閥のものであれ)交差することはできない。

    • 長い距離のリンクを作成するには、その間にある多くのリンクをあらかじめ破壊しておく必要があるため、難易度が高くなる。

    • 相手にリンクを作成されたくない所には、それと交差するようにリンクを作成しておくことで作成を妨害することができる。



  • 両派閥でMUの値が多いほうが優勢となる。
    • 地球表面を24,576分割した各セル(地域)で、175時間サイクルごとに残存しているコントロールフィールドのMU値が集計されて勝敗が決まり、さらに全地域のMU値が合算され世界レベルでの勝敗が決まる。




レベル



  • エージェント、ポータル、一部のアイテム(レゾネーターやXMP バースター等)には「レベル」がある。アイテムとポータルのレベルは1から8までであるが、エージェントのレベルは1から16まで設定されている。ただしエージェント自体に(本人の習熟を除いた)特別なスキル等があるわけではないため、レベル8以降のエージェントに能力差はほぼ存在しない[注 2]
    • エージェントのレベルはAP(Access Points)と呼ばれる経験値を積むことで上がっていく。レベル8まではAPのみで達成できるが、レベル9以上はAPに加えてメダルと呼ばれる実績も一定数獲得する必要がある。メダルは実績に応じて5段階のランクがあり、高レベルになるほど高ランクのメダルが要求される。


  • 使用できるアイテムはエージェントのレベルに依存する。例えば、レベル1のエージェントはレベル2以上のアイテムを使用できない(保有は可能)。

    • 前述のとおり、アイテムのレベルは8までであるため、エージェントのレベルが8になれば存在するアイテムが全て使用できる。

    • ポータルのレベルは設置されたレゾネーターの合計レベルに依存するため、高レベルのポータルを作るには高レベルのエージェントが必要となる[注 3]

    • 高レベルのレゾネーターは耐久力が高いため、低レベルのエージェントでは(使えるウェポンのレベルも低くなるため)破壊が難しい。





その他



ミッション


2014年9月から、高レベルのエージェントは「ミッション」というゲームを作成できるようになった。これはウォークラリーのようなもので、決められたいくつかのポータルを回って、全部でハックしたり問題を解いたりするとミッションクリアとなり、作成者の作ったメダル画像がエージェントのユーザーページに表示されるというものである。各地の名所や歴史を巡る様々なミッションや、数十のミッションを順番にクリアするとメダル画像がつながって大きな画像ができるというメダルアートも生み出されている。



イベント



ファーストサタデー(First Saturday)

第一土曜日に行われる、両陣営の境界を超えて交流したり共同で新人を育てるというイベント。Ingressユーザが企画・運営を行う。

XM アノマリー(XM Anomaly)

不定期で行われる、ナイアンティック主導のイベント。両陣営が特定時刻の特定地域内のポータルの支配率を競ったり、世界各地のポータルに出現する「シャード」という特殊アイテムを、国境を超えるリンクをつなぐことで自陣営のゴールポータルにひとつでも多くゴールインさせて勝利を競ったりする、ストーリーに結び付いたイベント[38]

GORUCK

XM アノマリーが開催される地域では、ミリタリー仕様のアパレル製品販売や軍隊式チーム育成トレーニングを主催するアメリカのGORUCK社が行う、両陣営対抗でトレーニングをしながらポータルを踏破するイベントが行われる場合もある[39]

Operation Clear Field

上述のGORUCK社が開催するイベント。小規模なチーム(陣営混合も可)を作り、手渡されたポイントリストに記載された行動を行って、「クールポイント」を獲得する。行動は例えば、特定のポータルをハックしたり、レストランや猫の写真をInstagramにアップロードすることなどだ。最も多くの「クールポイント」を獲得したチームの勝利である。なお、このイベントに参加すると「Ingress」内でメダルが貰える[40]

Mission Day

自治体や、エージェントが主体となって行うイベント。各地の観光名所や歴史的名所にミッションが設定され、所定の数のミッションをクリアすると、ミッションデー参加回数に応じた実績メダルが配布される[41]

NL1331Meetup

公式の車「NL-1331」が各地に訪れ、それをきっかけにエージェント同士やストーリーに登場するキャラクターとの交流を深めるイベント。グッズ販売やQ&Aセッションなどが行われる[42]

リアルタイム・ストーリー


Ingress161210

2016年12月10日に行われたイベント。熊本、大阪、東京、仙台、札幌にミッションがライブし、そのミッションの途中で数独などのパズルが出題される。しかしパズルは一部分が抜け落ちており、ミッションの途中で得た画像のポータルに向かいハックすると、そのパズルの抜け落ちていた部分の一部が得られる。こうして得られた部分を組み合わせ、パズルを解かなければミッションをクリア出来ない仕組みとなっていた。ミッションをクリアするとリワードコードが手に入り、リワードコードを5箇所でより早く手に入れた陣営の勝利となる[43][44]

デッド・ドロップ


デッド・ドロップを真似たイベント。運営や提携企業、ユーザなどによって不定期に開催される。主催者は特定の場所にカードやグッズを隠し、その場所のヒントをSNSに掲載する。参加者はそのヒントから隠し場所を特定し、グッズなどを手に入れる、というもの。[45]



タイアップ



  • 2014年11月 - 日本のコンビニエンスストア「ローソン」の約1万以上の店舗がポータル化(ローソンストア100、ナチュラルローソン、ローソンマートは除く)[46]

  • 2014年12月 - フランスの保険・金融グループ「アクサ」にちなむゲーム内アイテム「AXA シールド」が登場。また、ドイツ、イタリア、ポーランド、インドネシア、スイスの支店がポータル化[47]

  • 2015年6月 - 日本の銀行「三菱東京UFJ銀行」にちなむゲーム内アイテム「MUFG カプセル」が登場。また支店、ATMコーナーがポータル化[48]

  • 2015年6月 - 日本の携帯電話通信事業者「ソフトバンク」にちなむゲーム内アイテム「SoftBank ウルトラリンク」が登場。また、ソフトバンクショップがポータル化[49]

  • 2015年8月 - 日本の飲料メーカー「伊藤園」の災害対応自動販売機および社会貢献につながる自動販売機のうち約2,000台がポータル化[50]

  • 2015年11月 - 日本の印刷業者大日本印刷グループの書店281店舗がポータル化[51]

  • 2016年1月 - 日本赤十字社の関東甲信越・近畿・中四国の献血ルームがポータル化[52]

  • 2016年2月 - 日本のコンビニエンスストア「ローソン」にちなむゲーム内アイテム「Lawson Power Cube」が登場[53]

  • 2016年4月 - 日本のカー用品チェーン運営のオートバックスセブンが運営する「オートバックス」がポータル化[54]

  • 2016年7月 - 日本の旅行会社WILLER TRAVELが世界初となるIngressバス「NL-PRIME」を運行開始[55]

  • 2017年12月 - 台湾のバス会社国光汽車客運が、Ingressバス「NL-PRIME」を運行開始(WILLER TRAVEL、Ingressとの三者タイアップ)[56]

  • 2017年12月 - 日本の銀行「三菱東京UFJ銀行」とフランスの保険・金融グループ「アクサ」との提携を解消し、ポータルが削除され、また、ゲーム内アイテム「MUFG カプセル」、「AXA シールド」がそれぞれ「Quantum カプセル」、「Aegis シールド」に変更となった[57]



テレビアニメ




漫画



『INGRESS:TOKYO ANOMALY』

原作・監修:Niantic,Inc. / 漫画:木村大熊、電撃G'sコミック 2016年8月号 - 2017年9月号連載

  1. 2017年1月27日発売、KADOKAWA(電撃コミックスNEXT)、ISBN 978-4-04-892478-8

  2. 2017年9月27日発売、KADOKAWA(電撃コミックスNEXT)、ISBN 978-4-04-893379-7





『イングレス的日常-クロエさんの場合-』

原作・監修:Niantic,Inc. / 漫画:新井春巻、電撃G'sコミック 2016年8月号 - 2017年9月号連載

  1. 2017年2月27日発売、KADOKAWA(電撃コミックスNEXT)、ISBN 978-4-04-892479-5

  2. 2017年9月27日発売、KADOKAWA(電撃コミックスNEXT)、ISBN 978-4-04-893378-0





脚注



注釈





  1. ^ Ingressは位置情報システムを常時利用するため端末のバッテリー消費が激しく、長時間プレイのためにモバイルバッテリーを購入するユーザが多い


  2. ^ 一度に保有できるXMの量やポータルの遠隔リチャージ可能距離といった差はレベル8〜レベル16にも存在する


  3. ^ 例えばレベル8のレゾネーターはひとつのポータルに各エージェントともひとつしか設置できないため、ポータルのレベルを最高のレベル8にするためには8名のレベル8エージェントが必要になる




出典





  1. ^ “Three Years of Ingress and the Road for Niantic”. 2016年7月21日閲覧。


  2. ^ Ingress Intel Mapにおける表示(要ログイン)


  3. ^ inomskのツイート(505176283832012800)


  4. ^ Google+閉鎖について2019-02-07閲覧


  5. ^ ファーミングから作戦行動まで。Ingress(イングレス)レベル8エージェントの日常 できるネット


  6. ^ “岩手県がスマホゲーム「Ingress」を観光振興などに活用”. (2014年9月24日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/092301024/ 2014年9月27日閲覧。 


  7. ^ “横須賀市が自治体初のIngress特設ページ開設。無人島へのフェリー料金半額など観光振興に活用”. Engadget日本語版. (2014年12月18日). http://japanese.engadget.com/2014/12/18/ingress/ 2014年12月22日閲覧。 


  8. ^ ローソンのお店がポータルに! ローソン公式サイト


  9. ^ Ingress Partnership Zipcar


  10. ^ “IngressがAXAグループと提携、ゲーム内に新アイテム「AXAシールド」登場”]. 日経BP・ITPro. (2014年12月17日). http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/121602283/ 2014年12月22日閲覧。 


  11. ^ PowerIQ搭載でストレスフリーな小型モバイルバッテリー「Astro」 ケータイWATCH(冒頭に「リアル課金」についての言及あり)


  12. ^ “IngressJapanからのIngressPrime公開のアナウンス” (2018年11月6日). 2018年11月8日閲覧。


  13. ^ “IngressHelp(REDACTED-スキャナー)”. 2018年11月8日閲覧。


  14. ^ Ingress:『Atari 400』がなければ生まれなかったかも!? ジョン・ハンケ氏インタビュー - 週刊アスキー 2014年12月13日

  15. ^ abIngressの核心は「世界をよくするためには外に出ること」--川島優志氏インタビュー(前編) - CNET Japan 2015年2月27日

  16. ^ abイングレス@石巻レポート3:Ingress開発者ジョン・ハンケ氏インタビュー - Engadget Japanese 2014年06月25日


  17. ^ Ingressの新機能と今後のプラットフォーム展開--川島優志氏インタビュー(後編) - CNET Japan 2015年2月28日

  18. ^ ab
    Felicia Hajra-Lee (English). The Niantic Project: Ingress. Niantic Labs. ASIN B0117ZVZBY. 



  19. ^ イングレス一周年記念動画日本語訳(PDF)


  20. ^ Ingressが声優 緒方恵美さんで日本語対応。吹き替え音声は日本語が初 Shinichi Sekine, Engadget 日本語版、2016年8月4日, 午後07:00


  21. ^ エージェント プロトコル Ingress公式ヘルプ

  22. ^ abcFaction や Codename を変更するにはどうすればよいですか? Ingress公式ヘルプ

  23. ^ abcナイアンティック川島氏に「Ingress」の新ポータル審査機能を聞く「Pokémon GO」にも反映? 人気の位置情報ゲームを支える新システム - ケータイ Watch, 2016-11-22


  24. ^ When we launched Ingress and gave Agents the ability to detect and submit new...


  25. ^ Bogle, Ariel (2016年7月11日). “How the gurus behind Google Earth created 'Pokémon Go'”. Mashable. http://mashable.com/2016/07/10/john-hanke-pokemon-go/#_qYBgw5Sfmq0 2016年7月20日閲覧。 


  26. ^ Initio Tohoku Mission


  27. ^ Niantic’s new invite-only “Portal Recon” tool lets players vote real-world locations into Ingress Greg Kumparak, techcrunch 2016.11.17


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  32. ^ Portal候補の基準


  33. ^ “現実と仮想世界が交差する陣取りゲームアプリ「Ingress」の魅力とは”. THE PAGE(ワードリーフ株式会社) (2014年10月2日). 2014年10月2日閲覧。


  34. ^ 新しい Portal の申請 Ingress公式ヘルプ


  35. ^ “岩手県が「Ingress」で名所巡りや“わんこ対決”--町おこしイベントに密着”. CNET Japan. (2015年2月20日). http://japan.cnet.com/sp/ingress/35060684/ 2015年4月4日閲覧。 


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  38. ^ Ingress Live Events 2016/2/13 16:13閲覧


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  40. ^ ゴーラック公式サイト2019-02-07閲覧


  41. ^ Ingress ミッションデーとは|イングレス初心者講座 わんこ団子 2016/2/14閲覧


  42. ^ IngressJapanによるNL1331 Meetupの案内


  43. ^ IngressJapanによる#161210のアナウンス


  44. ^
    “『Ingress』5都市縦断の謎解き“ミッションライブ”で見せたエージェントたちの本気”. ファミ通 (2016年12月14日). 2019年2月6日閲覧。



  45. ^ 公式による実際のデッド・ドロップの投稿2019-02-07閲覧


  46. ^ ローソンのお店がポータルに!


  47. ^ アクサとIngressがコラボ開始、ゲーム内最強のシールドが登場


  48. ^ 三菱東京UFJ銀行がIngress(イングレス)と全面タイアップ。店舗やATMがポータルに!


  49. ^ ソフトバンクショップがIngressに登場!


  50. ^ 「Ingressアイテム & クオカードプレゼント」キャンペーン


  51. ^ DNPがIngressとコラボ、丸善・ジュンク堂・文教堂がポータルに


  52. ^ Ingress×献血の本格イベント「Red Faction」 2016年1月に開催! エージェントの提案に日本赤十字社・Nianticが協力


  53. ^ LAWSON×INGRESSプロジェクト


  54. ^ Ingressとオートバックスがコラボ 「これまで接点がなかったお客様(徒歩プレイヤー)が来店するきっかけに」


  55. ^ WILLER TRAVEL、ナイアンティック社と協力し世界初のIngressバス「NL-PRIME」を開発、運行を開始 - WILLER TRAVEL 2016年6月6日


  56. ^ 【獨家優惠 NL-PRIME台北進出記念!INGRESS特典ご紹介】報名INGRESS所有玩家,至國光客運桃園機場站及臺中轉運站享有獨家優惠!


  57. ^ Ingressとの提携終了のお知らせ




関連項目








  • Pokémon GO - 本作を開発したナイアンティックが、本作を基に開発した位置情報ゲーム。本作におけるポータルのデータが、ポケストップやジムに流用されている。


  • メルカリ - 株式会社メルカリと提携し、フリマアプリサービス内で本作の二次創作物の公式な流通を開始している。



外部リンク




  • Official website(英語)

    • Ingress Intel - ポータルやリンクなどの状況が表示される公式マップ(要ログイン)



  • Niantic Project(英語)


  • Ingress ヘルプ(日本語)

  • 公式Google+コミュニティ


  • IngressJP (@IngressJapan) - Twitter




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