厩舎
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- 馬や牛などの家畜を飼う小屋のこと。
競馬において、調教師が管理する施設・組織の総称。以下で述べる。
厩舎(きゅうしゃ)は、元は家畜を飼う小屋のことであるが、転じて、競馬においては、調教師が管理する施設・組織の総称として用いられる言葉である。競走馬と調教師の管理関係を表す際に多く用いられ、例えば「競走馬Aの管理調教師はB」という表現の代わりに「競走馬AはB厩舎所属」という表現が用いられる。
「厩」が常用漢字に含まれていないため、「きゅう舎」と表記されることがある。
目次
1 厩舎が置かれている場所
1.1 内厩制
1.2 外厩制
2 厩舎の開業
3 脚注
4 関連項目
厩舎が置かれている場所
内厩制
日本の中央競馬においては、厩舎は美浦トレーニングセンター、栗東トレーニングセンター内にある。厩舎には日本中央競馬会(JRA)から最大24の管理馬房が与えられる。地方競馬においては別にトレーニングセンターを設けそこに厩舎を置く場合もあるが多くは競馬場に併設されている。これらは内厩制と呼ばれ、中央・地方とも厩舎地区への部外者の入場は厳しく制限されており、人間・車両の出入口も限定されさらにゲートや警備員詰所が設置されている。
現在の日本競馬では基本的に内厩制での施設整備が進められ、このように厳重な警備が敷かれている。理由としては、競走の公正確保、すなわち競馬関係者が部外者から不正敗退行為を頼まれることを防止するため[1]と、感染力の高い馬インフルエンザや競走馬にとっては致命的な馬伝染性貧血のような家畜伝染病予防法で規定されている疾病が持ち込まれることを未然に防止するためである。
外厩制
内厩制に対して外厩制と呼ばれるものもあるが、日本の競馬で歴史的に見た場合には複数のシステム形態がある。
- 競馬場内の厩舎地区やトレーニングセンターではなく、競馬場周辺の私有地に厩舎が点在しているシステム。競走馬は競馬場に徒歩や馬運車で通う。
- レースを自地区の馬のみで行わず、他地区の馬にも開放するシステム。いわゆる「交流競走」がこれにあたるが、全レースを対象にこれが行われている場合、「外厩制」と呼ぶことがある。
南関東公営競馬とホッカイドウ競馬で行われている、競馬場の厩舎に所属した競走馬について、一定の許認可を得た民間の牧場や調教施設で調教を行い、競走当日の競馬場に輸送して出走させる「認定厩舎制度」。
1.のパターンの外厩は古くから見られたもので、平成期に入っても川崎競馬場の一部厩舎や宇都宮競馬場などで見られたが、川崎の場合は小向トレセンへの集約、宇都宮の場合は競馬場自体の廃止によって現存していない。今では笠松競馬場(競馬場敷地外に厩舎があり、競馬場へは徒歩で通う[2])や名古屋競馬場(弥富トレセン)や兵庫県競馬の一部(西脇トレセン)や大井競馬場の一部(小林トレセン)などが外厩制を敷いている。2の外厩制は現在は南関地区や東海北陸地区で行われている。高知福山でも一時期行われていたが、福山競馬場の廃止に伴い、現在では行われていない。
厩舎においては調教師の他、厩務員や調教助手が競走馬の管理にあたる。また、調教師と雇用関係を締結した騎手が所属している場合や、養成中の騎手候補生が実地研修を行う場合もある。
なお、国や地域によって内厩・外厩の制度はまちまちで、競馬場・調教場(トレーニングセンター)と厩舎の配置関係も異なる。
厩舎の開業
かつての中央競馬においては、厩舎を開業するためには調教師免許を取得するだけでなく、一定数の管理馬をあらかじめ確保する必要があった。現在ではトレーニングセンター全体の管理馬馬房数の空きに応じて免許取得者に順次開業が許可される。しかし、開業待ちの調教師の人数に対して定年などで引退する調教師の人数が少ない年もありこの様な時には馬房の空きが不足することがあり、その場合厩舎の開業を数年待たされるケースも発生している。
実例としては河内洋が調教師免許取得から開業まで通常1年のところ、開業を2年待たされたケースがある。
脚注
^ JRAのトレーニングセンターの部外者立入制限のシステムは中央史上最大の八百長である山岡事件の影響が大きいとされる。
^ 笠松競馬場 その7 ~馬専用道①~
関連項目
- 調教師
- スクーデリア