喫水










艦首にある喫水目盛




測定目盛


喫水または吃水(きっすい、アメリカ英語: draft、イギリス英語: draught)とは、船舶が水上にある際に船体が沈む深さ、すなわち船体の一番下から水面までの垂直距離のことである。




目次






  • 1 概要


  • 2 脚注


  • 3 関連項目


  • 4 外部リンク





概要


喫水線は船舶の浮き沈みの程度を表し、船舶の積荷、湾岸での安全な航行を確保する上で重要な指標である。このため、湾岸や運河では潮の高さによって入出港が可能な喫水制限(許容喫水)が設けられる。
通常わかりやすい様に船首や船尾にメートル法かヤードポンド法で高さを表示する。


水面に接する分界線のことを喫水線(きっすいせん、吃水線)という。船の積み荷を増やすと喫水は深くなり喫水線も上昇するが、その分沈没する危険性が高まるため、船に載せられる積荷の限界を記した満載喫水線(まんさいきっすいせん、満載吃水線)が船体中央部の両舷に表示されている。水域施設、係留施設等の港湾施設における岸壁水深に大きく左右され、後から増深することが難しくなる[1]。よって船型の積載能力の大型化に伴って船舶の喫水は深くなり、湾岸設備の水深も喫水データによって設計される。


なお大型船を中心に、喫水線の底は赤く塗られていることが多い。これはフジツボなどの海洋生物の付着を防ぐための塗料として使われる防汚剤の主な成分に、赤色系の成分の多い亜酸化銅が多いことが理由とされる[2]


満載喫水はタンカーや豪華客船などの大型船舶の規模を表す指標として知られる。中国最大の原油輸入港である青島港における喫水記録では、長らく「アテネの栄誉号」タンカーが21.68メートルを保っていたが、深水路を設けたことにより喫水最深のマーシャル群島船籍の30万トン級のマンモス・タンカー「ラファエル号」が停泊した[3]



脚注





  1. ^ 赤倉康寛、高橋宏直 (2000年12月20日). “フルコンテナ船の入出港喫水と岸壁水深の関係 (PDF)”. 運輸政策研究 Vol.4 No.2 2001 Summer. 一般財団法人運輸総合研究所. 2017年7月28日閲覧。


  2. ^ https://trafficnews.jp/post/79513/2


  3. ^ “青島港に寄港した最大喫水が過去最高のマンモス・タンカー”. 中国網 ( China Internet Information Center ) (2013年3月4日). 2016年10月27日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。




関連項目








  • トン数
    • 排水量


  • 国際満載喫水線条約(英: International Convention on Load Lines



外部リンク


  • 世界大百科事典 第2版『喫水』 - コトバンク









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