炭酸ナトリウム
炭酸ナトリウム | |
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別称 炭酸ソーダ ソーダ灰(無水物) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 497-19-8 , 5968-11-6(一水和物) 6132-02-1(十水和物) |
PubChem | 10340 |
ChemSpider | 9916 |
EC番号 | 207-838-8 |
E番号 | E500(i) (pH調整剤、固化防止剤) |
RTECS番号 | VZ4050000 |
特性 | |
化学式 | Na2CO3 |
モル質量 | 105.9884 g/mol(無水物) 124.00 g/mol(一水和物) 286.14 g/mol(十水和物) |
外観 | 吸湿性の白色固体 |
密度 | 2.54 g/cm3(無水物) 2.25 g/cm3(一水和物) 1.46 g/cm3(十水和物) |
融点 | 851 ℃, 1124K(無水物) |
沸点 | 1600 ℃(無水物) |
水への溶解度 | 22 g/100 ml (20 ℃) 7 g/100 g (0 ℃) 21.6 g/100 g (20 ℃) 45 g/100 g (100 ℃)[1] |
溶解度 | アルコール、エタノールに不溶 |
塩基解離定数 pKb | 3.67 |
屈折率 (nD) | 1.495(無水物) 1.420(一水和物) |
構造 | |
配位構造 | 三方両錐形 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | Safety Data Sheet External MSDS |
EU分類 | 刺激性 (Xi) |
EU Index | 011-005-00-2 |
NFPA 704 | 0 1 1 |
Rフレーズ | R36 |
Sフレーズ | S2 S22 S26 |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 炭酸水素ナトリウム |
その他の陽イオン | 炭酸リチウム 炭酸カリウム 炭酸ルビジウム 炭酸セシウム |
関連物質 | 炭酸アンモニウム ナトロン 過炭酸ナトリウム トロナ |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
炭酸ナトリウム(たんさんナトリウム、sodium carbonate、別名:炭酸ソーダ)は組成式 Na2CO3、式量106のアルカリ金属炭酸塩である。水酸化ナトリウムとその半分の物質量の二酸化炭素を反応させるか、炭酸水素ナトリウムを熱すると得られる。
- 2NaOH+CO2⟶Na2CO3+H2O{displaystyle {ce {{2NaOH}+ CO2 -> {Na2CO3}+ H2O}}}
- 2NaHCO3⟶Na2CO3+CO2+H2O{displaystyle {ce {2NaHCO3 -> {Na2CO3}+ {CO2}+ H2O}}}
工業的にはソルベー法で製造されるか、天然に産出するトロナを原料に製造される。世界的には、全生産量のうちおよそ28 %が天然由来となっている。[2]
十水和物 (Na2CO3・10H2O) は風解して一水和物 (Na2CO3・H2O) になる。輸送時、体積および質量を減じるために300℃以上で焼いて無水塩とする。 ソーダ灰というのはこの無水塩のことである。
目次
1 性質
2 主な用途
3 歴史的な製造法
4 関連項目
5 脚注
性質
水溶液中では以下の 1. のように電離するが、 2. の平衡は著しく左に偏っているため、CO32- イオンが水から H+ イオンを奪う能力が強く 3. のように反応してOH-イオンを生じる。(加水分解)
- Na2CO3⟶2Na++CO32−{displaystyle {ce {Na2CO3 -> {2Na+}+ CO3^{2-}}}}
- HCO3−⟷H++CO32−{displaystyle {ce {HCO3^- <-> {H+}+ CO3^{2-}}}}
- CO32−+H2O⟶HCO3−+OH−{displaystyle {ce {{CO3^{2-}}+H2O->{HCO3^{-}}+OH^{-}}}}
そのために、水溶液は塩基性を示し、味は苦い。菓子を作る際加えるベーキングパウダーは炭酸水素ナトリウムが主成分であり、熱分解して炭酸ナトリウムができるとアルカリ性となり味を損なう(実際には炭酸ナトリウムを中和する酒石酸も加えてある)。ソーダガラスや他のナトリウム化合物を作る際の原料となる物質なので、工業的に重要である。
主な用途
- ソーダ
- 洗剤(界面活性剤)
入浴剤(泡の出るもの。炭酸泉)
ガラス製造の原料- かん水
古代エジプトのミイラ製造
歴史的な製造法
中東の草木、塩生植物、スコットランドの昆布、スペインの海藻のようなナトリウムが豊富な土壌で育った植物の灰から抽出されていた。これらのナトリウムが豊富な植物の灰は、炭酸カリウムが得られる木材の灰と異なっていたため、ソーダ灰(soda ash)として呼ばれるようになった[3]。これらは19世紀初頭までヨーロッパおよび他の地域で行われていた。
また炭酸ナトリウムは水に可溶なため、湖などが蒸発した湖底で自然に採れることがある。これらの鉱物はナトロンとよばれた。エジプトの乾燥した湖等で得られ、ガラスの原料やミイラ製造に使用された。
炭酸ナトリウムの無水鉱物状態のものは非常にまれであり、ナトライト(natrite)と呼ばれる。タンザニアのオルドイニョ・レンガイ火山からも噴出する。過去にも同様の噴出はあったと考えられるが、地表では不安定で、水に浸食されている可能性がある。たとえばロシアのコラ半島では、炭酸ナトリウム、トロナ(Na3H(CO3)2・2H2O)、セスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3)の3種の鉱物形態で存在している。トロナ、セスキ炭酸ナトリウムは現在でも炭酸ナトリウムの原料として採掘されている。
関連項目
- 灰汁
ルブラン法 - 18世紀末に発明され、19世紀の中頃までの間まで盛んに用いられた炭酸ナトリウムの工業的製造法- 侯德榜法 - 1930年代に中国の化学者 侯德榜が開発した製造法
- en:Residual sodium carbonate index
脚注
^ http://www.ndctz.com/sodaash.htm
^ Soda Ash - Geotimes -May 2006 - USGS
^ “minerals.usgs.gov/minerals”. アメリカ地質調査所. 2018年3月11日閲覧。
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